プレミアリーグの時間BACK NUMBER
モウリーニョが“注文通り”のドロー。
PSG、またもチェルシーの守備に苦悩。
posted2015/02/18 12:00
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph by
AFLO
対戦前に、両軍の監督は前回対戦の結果を意識していた。
パリ・サンジェルマン対チェルシー。昨季CL準々決勝での第1レグは、PSGがホームで先勝(3-1)していた。しかし、2戦目を0-2で落とし、アウェイゴールに泣いたローラン・ブラン監督は、今季決勝トーナメント1回戦でのホーム初戦で「無失点を優先する」と語っていた。対するジョゼ・モウリーニョ監督は「パリの観衆に違ったチェルシーをお見せする」と発言。前回は、DF陣のミスが失点を招いたとはいえ、“ゼロトップ”採用で守備的に臨んでいたのだった。
だが実際には、どちらの予告も現実とはならず、今回も守備的だったチェルシーが先に点を取り、PSGが追いつくという展開で引分け(1-1)に終わった。
もちろん、結果に対する納得の度合いはアウェイゴールを奪ったモウリーニョの方が上だ。前半11分の2連続セーブに始まり、試合後に「驚異的」と賞賛したGKのティボウ・クルトワが事実上引分けに持ち込んだとなれば尚更のことだ。
特に、後半のチェルシーはほぼ防戦一方。60分には距離を詰めて左足でシュートを防ぎ、ロスタイム中には反応良く片手でヘディングを弾き出した、ズラタン・イブラヒモビッチ相手に見せた2つのセーブは秀逸だった。
守備にうるさいモウリーニョは不満気?
守備にうるさいモウリーニョにすれば、36分にブラニスラフ・イバノビッチのヘディングで奪ったリードが、後半早々の54分までしかもたなかった事実は不満だろう。
PSGの同点ゴールは、ブレイズ・マテュイディのクロスもエディンソン・カバーニのヘディングも見事だったが、空中戦に強いカバーニがゴール正面でフリーになるというミスがあった。カバーニの前にいたギャリー・ケーヒルはボールだけに目がいき、後にいたジョン・テリーは背後のイブラヒモビッチに気を取られるという、チェルシーのCBコンビらしからぬ失点シーンだった。