現在はCBの3番手だが、出場機会は少なくない。

　現在、吉田はCBの序列で言うと3番手だ。長年チームのDFラインを支えているキャプテンのジョゼ・フォンテ（ポルトガル代表）と今季アトレティコ・マドリーから加入した“トビー”アルデルバイレルト（ベルギー代表）が先発として出場する試合が多く、吉田はフローリン・ガルドシュ（ルーマニア代表）とともに出番を待つ日々だ。

　それでも、今季は負傷がちなトビーに代わって出場機会も多く、ボランチ勢に離脱者が出た場合はMFでもプレーできるトビーが1列前に上がり、CBに吉田が入った試合が何度かあった。そして、SBでプレーすることもある。レギュラーの守備陣に欠員が出た場合、真っ先にクーマン監督から出番を与えられるのは吉田だ。

　彼がいま鎬を削っているのは、プレミアで最少失点を誇るチームだ。ここは、世界最高峰と謳われているリーグである。そんな中、試合だけではなく普段の練習から高いレベルでの競争が存在する現在の環境は、確かに“スペシャル”である。

3年契約は、戦力としての期待の証拠でもある。

「クラブに残ると決めたからには、あとは自分次第。今はまだCBで3番手というのは変わらない。2番手以内に入れば、試合に出られる。単純な話です。

　もうこのレベルに来たら、どこのチームに行っても激しい争いは付き物。今はどこのクラブもCBを欲しがっているみたいで、このまま待てばオファーが来る可能性もあると代理人からは聞いていました。でも『最後に決めるのはマヤだ』とも。移籍したら試合に出られるなんて保証は、プレミアのどこのクラブにもない。だったら、ここで勝負してやろうというシンプルな思考にたどり着きました。

　1年とか1年半ではなく、クラブが新たに3年契約を上乗せしてくれたということは、しっかり戦力として考えてくれている証拠でもある。そこは素直にうれしかった。今、チームは失点も少ない。そういう環境でポジションを争って選手同士で高めあって、チームを勝たせていく。その先に、チャンピオンズリーグの舞台があれば最高です」

　昨年の12月20日に行なわれた第17節・エバートン戦で、吉田は今季初得点を挙げた。その後も18節のクリスタルパレス戦はCBとして先発、19節のチェルシー戦では試合開始から右サイドバックで出場し、1月1日に行なわれた20節・アーセナル戦でも後半途中からピッチに入り、チームの完封勝利に貢献している。

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