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吉田麻也が語る好調サウサンプトン。
CL出場、契約延長、名前表記変更。
text by
西川結城Yuki Nishikawa
photograph byAFLO
posted2015/02/10 12:00
2018年シーズンまでの契約延長に合意した吉田麻也。ロンドン五輪を機にやってきた男は、完全にプレミアリーガーとしての地位を固めているのだ。
契約更新で頭に浮かんだ「CLに出る」という原点。
アジア杯での戦いに隠れてしまったが、吉田は大会前にある重要な決断をしていた。
契約が2014-15シーズンで切れることになっていたが、サウサンプトンから新たに3シーズンの契約延長オファーを提示されたのだ。昨年途中、吉田は新たにイギリス人の代理人と契約を結んでいる。この契約更改を見据えてのことだろう。彼の助言を交えながらあらゆる考えを頭に巡らせ、吉田は契約書にサインした。最後は、自分自身で決めたという。
「アジアカップの前には決めたかった。今回は代理人も新しい人になって、初めての契約だった。正直10月、11月ぐらいは迷っていた。何が正しい判断かがわからなかった。当然プレミアリーグでプレーし続けたいけど、今なかなか先発で出場できないこのチームにいるべきかどうか。
でも結局、今回も原点回帰だったんです。もう一回『自分はどうなりたいのか』と考えた時に、プレミアで活躍してチャンピオンズリーグに出るという目標がある。今季のサウサンプトンは、真剣にチャンピオンズリーグ、もしくはヨーロッパリーグの出場権を取ることに狙いを定めている。だから、このチームから離れる理由なんてやっぱりないんですよ」
現在サウサンプトンは、マンUを抑えて3位。
第24節を終了した時点で、サウサンプトンは首位のチェルシー、2位のマンチェスター・シティに続いて3位に位置している。前週まで一つ順位が上にいたマンチェスター・ユナイテッドを抜き去り、2位との勝ち点差もたったの4。さらに総失点数は首位のチェルシーの21よりも少ない17で、リーグ最少である。このままの調子で行けば、ヨーロッパの舞台は現実的な目標だ。
昨季はマウリシオ・ポチェッティーノ監督(現トッテナム監督)のもと、コンパクトなプレッシングサッカーで大躍進を遂げたセインツ(サウサンプトンの愛称)。今季は開幕前に大勢の主力が引き抜きにあったが、新たに就任したロナルド・クーマン監督率いるチームは、手堅い守備組織と技術力に優れた攻撃陣を武器に、昨季以上の成績を残している。