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遠藤保仁が、激動の1年を振り返る。
「今季はキャリアハイじゃない」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byAFLO
posted2014/12/17 10:30
遠藤保仁にとってJ1優勝は2度目、ナビスコ杯優勝は2度目、そして天皇杯優勝は3度目となった。来年はACL、代表でのアジア杯もある。遠藤のキャリアハイはいつ訪れるのだろうか。
宇佐美「代表のボランチがふたりもいるなんて」
実際、代表から戻った後の遠藤のプレーには、より凄味が感じられた。チームメイトの今野も同様だった。ふたりは、ガンバのダブルボランチとしてプレーしている。
「日本代表のボランチがふたりもいるチームなんてありえないですよね」
宇佐美はそう言ったが、相手のチームには、相当の脅威になっていたことだろう。
11月22日、天王山と言われた浦和戦、ガンバは終盤、佐藤晃大と倉田秋がゴールを決め、2-0で勝利した。つづく26日の天皇杯準決勝の清水戦、遠藤はフル出場し、29日の神戸戦もフル出場を果して勝利に貢献した。そして、ガンバはついに首位に立ったが、そこまで2週間強で5試合というハードスケジュールだった。
だが、遠藤は涼しい顔でこう言った。
「試合がつづくのは苦にならないからね。それに今の時期、優勝できるチャンスがあるのに疲れたなんて言ってられないし、そんなことを言う選手もいないでしょ。最後に最高の試合が待っているんで、勝って終わらせたいですね」
「優勝の味は2005年と変わらない」
リーグ戦最終節の徳島戦、ガンバは相手の守備的な戦術に手を焼き、0-0のドローに終わった。だが、浦和と鹿島が敗れ、9年ぶりのリーグ優勝が決まった。
「優勝の味は2005年と変わらないけど、やっぱり嬉しい。優勝のターニングポイントになったのは、中断明けの連勝と鳥栖、鹿島、川崎との上位対決で3連勝できたところだね。強くなったのは、うーん、中断明けからほぼ同じメンバーで戦い、勝つことで戦術に自信を持てるようになったからでしょ。
守備は安定していたし、中断後は点も取れるようになって攻守のバランスがすごく良くなった。相手に先制されてもまったく動じなかったし、引っくり返せる自信があった。逆に我慢する時は我慢するというのをチーム全体でできるようになった。そういう意味では安定感が自分たちの強さでもあったと思う」