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リーグでは降格圏、CLは決勝T進出。
ドルトムントと香川の“奇妙な状況”。

posted2014/11/05 16:30

 
リーグでは降格圏、CLは決勝T進出。ドルトムントと香川の“奇妙な状況”。<Number Web> photograph by AFLO

CKキッカーを務めた香川の近くに発煙筒が投げ込まれるなど、ガラタサライとの一戦は異様な雰囲気の中で行なわれた。しかしその香川が蹴ったCKをゴールにつなげるなど、ドルトムントは4得点を奪って決勝トーナメント進出を決めた。

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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 ドルトムントは今、2つの顔をのぞかせている。

 CLグループリーグ第4節、ドルトムントがホームでガラタサライを4-1で退け、2試合を残してグループステージ突破を決めた。CLでは開幕から3連勝を飾ったことが過去に一度だけあるのだが、それは優勝した'96-'97シーズンだった。もっとも、このシーズンでさえ、第4節にホームでアトレティコ・マドリーに敗れて4連勝は逃している。

 つまり、今季のドルトムントはCLでクラブ史上最高の成績を残しているのだ。

 しかし、先週末のバイエルン戦では1-2で逆転負けを喫して、リーグ戦では5連敗。5連敗は14年ぶりのことで、自動降格圏の17位に沈んだ。

 そして何より、リーグ戦10試合を終えて2勝1分7敗というのは、クラブ史上最低の成績なのだ。

バイエルン戦の香川はペップが対策を練るほどだった。

 各メディアは危機をあおり、ドルトムントの不調の理由を一斉に分析している。『ビルト』紙などは、HPの有料ページでドルトムントのクロップ監督が香川につかみかかっている練習場の外から撮影した写真を掲載した。しかも、バイエルン戦の前に撮ったものを、バイエルンに敗れたあとにわざわざ出してきて、危機が訪れていることを煽ったのだ。

 その香川は、バイエルン戦の前半に守備では相手の攻撃の起点となるシャビ・アロンソを封じこめ、攻撃時にはDFラインと中盤の間で上手くボールを受けていたために、ハーフタイムにグアルディオラ監督がわざわざ香川対策を指示したほどの活躍ぶりだったのだが、そうした過程はここでは忘れ去られている。

 CL第2節のアンデルレヒト戦の記事でも紹介したように、クロップ監督が激情家であることを選手たちは知っているし、当の香川も「上手く写真がああいう感じにされましたけど、関係ないです。こういう時期だからこそ出る報道なんじゃないかなと思います」と意に介さない発言を残しているのだが。

 いずれにせよ、とてつもなく強くて、すごく弱い。それが現在のドルトムントの姿なのだ。

 しかし、どうしてこんな奇妙な状況に置かれているのだろうか。

【次ページ】 ドルトムントの格下への取りこぼしが多い理由とは?

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