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阪神・ゴメスにはストレートが有効!
日本一の行方を左右する「主砲対策」。
posted2014/10/28 10:50
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
NIKKAN SPORTS
キーマンはゴメスである。
ソフトバンクと阪神が激突する日本シリーズは、甲子園球場での2試合を終え、1勝1敗のタイで、舞台を福岡に移すことになった。
初戦は阪神がエース、R・メッセンジャー投手の好投と打線の爆発で快勝。2戦目はソフトバンクの先発・武田翔太投手が中盤まで“完全ペース”の好投をみせ、打線も阪神先発の能見篤史投手の立ち上がりを捕まえて5球で先制。4回には4番・李大浩内野手の一発で追加点を奪って逃げ切った。
ここまではまさにほぼ互角、がっぷり四つの戦いと言っても良さそうである。
ただ、この2試合で良きにつけ悪しきにつけ、カギを握る存在として明確に浮上してきた選手がいる。
それが、阪神の4番を任されているM・ゴメス内野手である。
CSから続く「ゴメスが打つと勢いがつく」流れ。
初戦を振り返ってみよう。
4回1死二塁。打席に入ったゴメスはソフトバンクの先発、J・スタンリッジ投手の初球、高めの甘いストレートを逃さず捉えた。左翼線に放った先制タイムリー二塁打。そして5回の2死満塁のチャンスでも、外角のスライダーを左前に転がして2点を奪うタイムリー安打。4番が4番らしい働きを見せて、チームには点数以上の勢いがついた。
これは、クライマックスシリーズファイナルステージでの巨人戦でも同じだった。
10月15日のシリーズ初戦。1回にいきなり巨人先発の内海哲也投手から2ランを放ってチームに勢いをつけると、3回にも追加点となるタイムリーで流れを作った。
その後も、第3戦では同点の口火を切るタイムリーと勝ち越しタイムリーと2本の適時打を放ち、日本シリーズ進出を決めた第4戦でも、8回に巨人の息の根を止めるタイムリー。この主砲の勢いを止めきれなかったことが、巨人の敗因となったのである。