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“山田哲人世代”とは呼ばせない!
オリックス・駿太、打撃覚醒の理由。 

text by

氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

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photograph byHideki Sugiyama

posted2014/09/24 10:30

“山田哲人世代”とは呼ばせない!オリックス・駿太、打撃覚醒の理由。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

力感あふれる下半身が、駿太のスイングスピードを支えている。打率は糸井嘉男についでチーム2位、山田哲人の独走を許すわけにはいかない。

「1番を打てるような打者になりたい」

 9月20日のロッテ戦。

 4回2死一、三塁の好機で立った打席では、インコースやや甘めのストレートを一閃、ライト線へ痛烈な適時二塁打を放った。この打席で魅せた力強い打球は、過去の駿太には見られなかったものだった。「あの打席はまさに、上手くタイミングが取れて、力強い打球が打てた」と駿太も自身の成長を実感している。

 今の打順は8番。現在のチーム状況や経験を鑑みれば、妥当な位置にいると言えるかもしれない。しかし当の本人は、もちろんこれで満足するつもりはない。

「そんなに先のことを考えてはやっていないですけど、1番を打てるような打者になりたいですね。同世代では、僕が一番最初に一軍で出ましたけど、最初に一軍で活躍したのは西川で、僕は追う立場です。山田は遥か遠くに行っちゃいましたけど、今、チームがソフトバンクを追いかけている状況であるのと同じように、追いかけていくのは個人的には好きです。西川や山田にいつかは追いついて、追い越せるように、これからも頑張っていきたいと思います」

“山田世代”の呼称を変えることができるのか。

“山田世代”の現在は3番手。

 だが、本屋敷コーチが言うには「上手くなりたいという意欲が前面に出てくる選手。まだまだ伸びる可能性を秘めている」のだそうだ。

 来年には、大学を卒業した同級生も入団してくるが、「どんと来いという感じ。僕は4年間、プロに入って積み上げてきた」とはっきり言えてしまうポジティブな姿勢も彼の持ち味の一つ。

“山田世代”の刺客・駿太が名乗りを挙げた。

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