MLB東奔西走BACK NUMBER
田中将大の今季復活に黄色信号!?
手術か回避か、苦渋の二者択一。
posted2014/09/07 10:40
text by
菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi
photograph by
Getty Images
右ヒジ靱帯の部分断裂から今シーズン中の復帰を目指しているヤンキースの田中将大投手に、突如として不安要素が飛び出した。
順調にメニューを消化し、2度のシミュレーション・ゲームを実施したまでは良かったが、その直後の8月29日に右腕の張りを訴えた。ブルペンでの投球練習をシャットダウンするとともに、遠征先のトロントからニューヨークに緊急帰還することになった。
9月2日ジョー・ジラルディ監督が明らかにしたところでは、前日にチーム医師の検査を受けた結果、負傷ではなく右腕の“疲労”と診断され、投球練習再開の許可が出された。
「医師が行なったマニュアル・テスト(MRI検査などの精密検査ではないもの)の結果はすべて非常に良く、腕の疲労だと診断された。今週中にもブルペン投球を再開する予定で、願わくばそれができる状態に戻ってほしい」
田中の復帰に懐疑的なニューヨークメディア。
しかしこの時点では、明確な再開時期もその後の日程も決められない状況にあり、今シーズン中の復帰は何一つ保証されたものではなかった。
それを物語るように、今回の投球練習再開の見込みをニューヨークの地元メディアは冷静に受け止めているようだ。
8月29日に腕の張りを訴えた際は、各メディアともに大々的に報じていたが、各主要紙のサイトをチェックする限り、今回の“疲労”の件を詳細に報じていたのは『スターレジャー』紙ぐらいだったように思う。
さらに『ニューズデー』紙に至っては、MLB負傷選手一覧のページで田中についての状況説明は「シミュレーション・ゲームで投球はしているが、今シーズン中の復帰は疑問が残る」と記しているほどだ。
結局のところ、田中の今シーズン中の復帰について楽観的な見通しを繰り返すヤンキースに対し、それをメディアはまったく鵜呑みにしていないようなのだ。