Number ExBACK NUMBER
<独占公開、W杯の真実> 矢野大輔・ザックジャパン通訳日記 ~ラストピースをめぐる指揮官の逡巡と決断~
text by
矢野大輔Daisuke Yano
photograph byHirofumi Kamaya
posted2014/09/04 11:00
5月5日、代表スタッフから挙がった選手の名前は……?
当然、勝負の世界の出来事なので、W杯で負けた代表チーム、そのトップである監督が批判に晒されることは覚悟できていた。それでも、頭で分かっていても、腑に落ちない部分がいくつもあった。ザッケローニ監督がやろうとしていたことは、正しく理解されていないんじゃないか、と……。
この4年間、ザッケローニ監督は全身全霊を傾けて日本代表チームを作り上げてきた。その事実をより多くの人に伝えていきたい。今はその思いが何よりも強い。
僕が4年間付けてきた日記を、ブラジルW杯メンバー発表の1週間前から公開したいと思う。
<メンバー選考のミーティング 2014年5月5日(月)>
10時からテクニカルMTG(ミーティング)。Jの視察報告。今野の調子がどうかとか、遠藤のコンディションが読めないとか、柿谷がセンターフォワードで出られていないとか色々話す。そしてメンバー選考へ。スタッフからは次の選手たちの名前が挙がった。
GK 川島永嗣、西川周作、権田修一
DF 内田篤人、酒井宏樹、吉田麻也、森重真人、水本裕貴、今野泰幸、伊野波雅彦、塩谷司、長友佑都、酒井高徳、安田理大、槙野智章
MF 長谷部誠、山口蛍、細貝萌、遠藤保仁、青山敏弘、岡崎慎司、清武弘嗣、工藤壮人、石原直樹、小林悠、本田圭佑、中村憲剛、香川真司、齋藤学
FW 李忠成、豊田陽平、柿谷曜一朗、大迫勇也
いつもと同じように注意深くスタッフの意見に耳を傾ける監督。しかしいざ監督として何かを決断する時は、自分の信念のもと、誰にも左右されない。もう頭の中ではメンバーは固まっていると思う。
そして発表前日、矢野通訳は指揮官の命を受け“ある選手”と連絡を取った。
代表漏れした選手への率直な評価、矢野がかわした中村憲剛らとの会話。
知られざるやり取りと、日本代表の本番までの準備が今、明らかになる!
つづきは、雑誌「Number」860号でお読みください。
Number Books
19冊にのぼる大学ノートに綴られた1397日間の「通訳日記」。そこには、今まで明かされることのなかったザッケローニ監督の真意や選手たちとの対話が克明に記されていた。日本代表通訳就任からブラジルW杯後のザックジャパン解散まで、世界を驚かせるために挑んだ激闘の日々を完全公開。