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リーガを飛び交った659億円の移籍金。
バルサ、レアルの世界戦略と“面子”。 

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横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

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posted2014/09/04 10:30

リーガを飛び交った659億円の移籍金。バルサ、レアルの世界戦略と“面子”。<Number Web> photograph by Getty Images

昨年獲得したギャレス・ベイルと、今夏獲得したハメス・ロドリゲス。2人合わせて1億6600万ユーロ(約230億円)の移籍金は、欧州の頂点に立つための投資となるだろうか。

世界一のフォロワー総数を誇るバルサのSNS。

 なるほど、バルサの各種SNSのフォロワー総数は世界一だ。もともと力を入れてきた分野ではあるが、今年に入って一日あたり約21万人(全サービスを合わせて)のペースでフォロワーを増やしている。

 現在ツイッターの英語アカウントは約1248万人、スペイン語アカウントは約700万人、グーグルプラスは約695万人、インスタグラムは約368万人、ウェイボーは約235万人にフォローされている。その他、約7374万人がフェイスブックの公式ページを「いいね!」とし、約149万人がYouTubeの公式チャンネルを登録している。LINEにもアカウントを持っている。

 そして、これが世界各国での新たなスポンサー獲得に繋がっている。具体的なフォロワー数を挙げることで交渉を有利に運ぶこともできるだろう。

 リーの部署は他にオンラインでのグッズや入場券販売、ゲームを始めとする各種アプリケーション用のライセンス契約などを扱っており、全てを足した年間の稼ぎ高は約3000万ユーロ(約41億円)に及ぶという。おまけに、ここ3年の成長率は43%。

 クラブにとっては新たなドル箱である。

マドリーがハメスを言い値で買い取った理由。

 マドリーも同様にSNSやウェブサイトを重視している。

 ツイッターのフォロワー数は約1253万人。フェイスブックの「いいね!」の数は約7202。公式ウェブサイトの言語数もバルサのカタルーニャ語以外全てに対応する8つ。

 しかしこのクラブの収入増戦略で注目すべきは、やはりフロレンティーノ・ペレス会長のビジネス感覚だ。

 突然だが、今季のマドリーにハメスは本当に必要だったのか。

 スリートップはクリスティアーノ・ロナウド、ベンゼマ、ベイルに決まっているし、中盤は昨季、絶妙なバランスで機能したディマリア、モドリッチにイスコとクロースもいる。

 ハメスほどの選手なら、選手層を厚くするためにもいるに越したことはない。が、バカげた額を払ってまで今すぐ獲ることもない。

 それなのにマドリーは、世界の移籍金史上4番目の高額8000万ユーロ(約110億円)をポンと出して彼を買い取った。モナコとの交渉があっという間に済んだことを考えると、ほぼ言い値で手を打ったにちがいない。

 なぜそこまでのことをしたのか。

【次ページ】 面子、話題作り、そしてマーケティング。

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