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逆転のGL突破へ、「超V字回復」を。
遠藤、岡崎、本田、それぞれの“志”。 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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posted2014/06/23 11:20

逆転のGL突破へ、「超V字回復」を。遠藤、岡崎、本田、それぞれの“志”。<Number Web> photograph by Getty Images

GL最終戦、コロンビアとの試合に向け調整を行なう本田圭佑。今大会日本唯一のゴールを決めている男にかかる期待は大きい。

南米予選2位、コロンビアの攻守に隙はない。

 休養日から一夜明けたコロンビア戦2日前のトレーニングでは、3人目の動きを意識しながらパス交換をし、最後はシュートまでいくメニューをこなした。ザッケローニ監督は「パスの質を高くしろ」と要求していた。

 報道陣に公開されたのは冒頭の15分間ではあったが、2試合で見られなかったコンビネーションプレーを取り戻したいという狙いが見えたのは明るい兆しを予感させる。まずは「自分たちのサッカー」をするという原点に立ち返ろうとしているからだ。

 コロンビアはワールドカップ南米予選を16戦9勝3分け4敗で終え、首位アルゼンチンと勝ち点2差の2位で本大会出場を決めた。予選では9チーム中最少の13失点と守備も強いが、特長はやはり攻撃だ。初戦のギリシャ戦は3-0、2戦目のコートジボワール戦は2-1。2試合で5得点を取っている。

岡崎慎司は2試合でシュートを1本も打てなかった。

 ただ、今大会の2試合はいずれも同じメンバーが先発しており、日本戦では決勝トーナメントを考慮してメンバーの一部を入れ替えてくる可能性はある。その分、日本にとってはメンバーが読みにくい。

 今野泰幸は「相手は(2試合のメンバー)全員が出てくるかどうかが分からないので、難しい面がある」と首をひねりながら、警戒すべき選手として「トップ下の10番と、途中から出てくる20番」を挙げた。トップ下の10番はハメス・ロドリゲス(モナコ)。ギリシャ戦、コートジボワール戦ともゴールを決めており、いずれもマンオブザマッチを受賞している。

 20番はコートジボワール戦で後半8分からピッチに立ち、ゴールを決めたキンテーロ(ポルト)。今野は「あの2人が攻撃のスイッチを入れている。あそこから起点になって始まるので、2人のところをどう抑えるかが大事だと思う」と話した。

 一方、多くの点を取りにいくには攻撃陣の奮起がどうしても必要になる。2試合を通じてシュートゼロに終わっている岡崎慎司は「僕はシュートを打つことでリズムをつくってきたことに気づいた。やっぱりシュートを打たないといけない。今までは考えすぎてしまっていたので、もう何も考えずに打っていきたい」と前を向いた。ブンデスリーガのマインツで15得点を入れている意地を見せずにブラジルを去るわけにはいかない。

【次ページ】 本田「戦う限り可能性はゼロでない」

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