スペインサッカー、美学と不条理BACK NUMBER
ラキティッチ>セスクである理由。
“エンリケバルサ”が描く未来図。
text by
工藤拓Taku Kudo
photograph byTakuya Sugiyama/JMPA
posted2014/06/18 10:30
獲得が確実視されているラキティッチはセビージャで2桁得点&アシストをマーク。W杯開幕戦でも攻守に精度の高いプレーを見せた。
支配率をチャンスにつなげられないチームにアクセントを。
また長い距離を単独で持ち運べるドリブルの推進力、30~40m先のスペースに鋭く差し込むロングスルーパスといった既存のMF陣にはないラキティッチの能力は、ボール支配率の高さをチャンスの数に反映できなくなって久しいチームの攻撃に、アクセントを加える武器となることが期待できる。
ショートパスをベースとしたポゼッションスタイルはそのままに、より激しく、力強く、スピーディーに攻め、守る。それがシャビ後のチームを担う人材としてセスクではなくラキティッチを選んだ新生バルサの目指す姿であり、世界の注目がワールドカップに集まる今もクラブは着々と補強に動いている。ブラボ、マルキーニョス、マテュー、ラポール、ロイス、アグエロ、イグアイン……。
故ティト・ビラノバの指揮下、カンテラーノのみの11人で公式戦を戦うという快挙を実現したのはもう過去のこと。来季のバルサは一転して国際色豊かな陣容となるはずだ。