ブラジルW杯通信BACK NUMBER
セリエを席巻するコロンビア旋風。
日本に立ちはだかる5人の男たち。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byMaurizio Borsari/AFLO
posted2014/05/13 10:40
長友佑都と激しくやりあうフィオレンティーナのクアドラド。トップスピードに乗った状態でのドリブルを止めることはほとんど不可能。得意な形に持ち込ませないことが重要だ。
本田を知り尽くすミランDF、サパタ。
コロンビア産DFのしつこさは、代表主将マリオ・ジェペス(アタランタ)やクリスティアン・サパタ(ミラン)らにも受け継がれていると見るべきだ。
サパタはおそらく今、世界で最もMF本田圭佑を熟知するセンターバックだ。チームメイトである本田のプレーの特徴やクセを、彼ほど身近で体感できる人間はいない。ミラネッロでの普段の練習は、ブラジルで本田封じを図るコロンビアへ貴重なヒントとなるに違いない。
日本vs.コロンビアの前哨戦は、すでにミラノの地で行なわれている。
2月中旬、インテルDF長友佑都はフィオレンティーナとのアウェーゲームで対面のMFクアドラドとマッチアップした。
互いにチーム一のスプリント力を誇る2人は、タッチライン沿いで激しく競り合った。後半のスタミナで上回り、決勝点のアシストを決めた長友に軍配が上がったものの、2人の攻防は本番でも見所の一つだろう。
日本を率いるイタリア人指揮官は、4月の短い帰省の間に、母国でプレーする対戦国の選手たちを入念にチェックしたはずだ。
伝統国イタリアで揉まれた多彩な攻撃陣と執拗なDFたちが、エースの不在をリカバリーする。6月24日、決勝トーナメント進出を賭けた戦いになる可能性が高いクイアバでのグループ最終戦、タフな一戦となるのは間違いない。