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今季10戦6得点のDF、広島・塩谷司。
5月12日、その名前はリストにあるか。 

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飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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photograph byYusuke Nakanishi/AFLO

posted2014/04/15 10:30

今季10戦6得点のDF、広島・塩谷司。5月12日、その名前はリストにあるか。<Number Web> photograph by Yusuke Nakanishi/AFLO

槙野智章、高萩洋次郎ら代表経験者に囲まれて、リラックスした表情を見せる塩谷司(右から2人目)。昨年ブレイクし、今年はすでに6得点とキャリア最高の得点数を記録。DFながら、その一発も魅力だ。

優勝の夜、塩谷が語った自信と予感。

 塩谷にインタビューする機会に恵まれたのは、優勝を果たしたまさにその夜のことだった。

 カシマスタジアムからチームメイト数人と小型バスに乗って東京まで来たという塩谷は、テレビ出演の合間を縫って、インタビューの席に着いてくれた。

――昨年とは異なり、主力として優勝に貢献したわけだから、実感も嬉しさも昨年とはまったく違うのでは?

「正直、まだ実感はないですね。嬉しさは、たしかに去年はちょっとしか出られなくて悔しかったから、素直に喜べなくて。でも、今年は最初から出られたんですごく充実していました。優勝の重みが全然違うなって感じましたね」

――2連覇を狙うチームのレギュラーに抜擢され、プレッシャーもあったでしょう?

「最初の頃はすごくありました。去年から変わったのは自分のところだけなので、結果が出なかったら自分のせいだって思ったし、森脇くんと比較されるのも覚悟してました。でも、森脇くんのようなプレーをしようとは思わなかった。僕には僕の良さがあるから、そこで貢献しようと。周りの声は気にせず、1年間やってきました」

――自分の良さ、森脇選手に負けていない部分とは?

「守備における対人の強さですね。そこに関しては自信があります」

「売られたケンカは買うぞっていう性格なんで(笑)」

――ACLでも臆せず戦っていた姿が印象に残っています。北京国安戦ではあのカヌーテ(元マリ代表/元セビージャ、トッテナムなど)とやり合った。国際試合向きの選手だなと。

「向こうが明らかに悪口を言ってきて、売られたケンカは買うぞっていう性格なんで(笑)。イエローカードには気をつけますけど、プレーでバチバチやり返してやろうって。そこで臆することなく突っかけていけるのが試合の楽しいところだし、相手が外国人選手だとバチバチやり合えるから、国際試合は楽しいですね」

――水戸にいたとき、J1の3クラブからオファーがあったそうだけど、その中から広島を選んだ理由は?

「面白いサッカーをしていたし、優勝争いもしていたので、そういう状況を経験してみたいという気持ちがあって。でも、一番の決め手は厳しい環境に身を置いて自分を鍛えたかったからです。試合に出られなかった時期は辛かったですけど、いい選択をしたなって今は思います。むしろ順調すぎて、うまく行きすぎて怖いくらい(笑)」

 インタビューの最後に、日本代表も意識するようになったのでは? と訊ねると、「イメージというか、意識はしていますね。でも、呼ばれないっていうことは、まだまだ力が足りないっていうこと。もっと強くなって、アピールしなきゃって思います」と語っていたが、それから半年もしないうちに、塩谷は日本代表候補に選ばれるまでになった。

【次ページ】 直接FK2点、ヘッドが1点、流れの中から3点。

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