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CL敗退、バルサ黄金期の終わり。
時代はペップの“真クライフイズム”へ。 

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byREUTERS/AFLO

posted2014/04/11 15:00

CL敗退、バルサ黄金期の終わり。時代はペップの“真クライフイズム”へ。<Number Web> photograph by REUTERS/AFLO

バルサはボール保持率ではアトレティコを上回っていたのだが……。メッシの運動量も極端に少なく、イニエスタの途中交代も議論を呼ぶこととなった。

ペップが描く、新時代のサッカー戦術とは?

 この本において、クライフは「ポゼッションプレー」を実施するうえでのウィングの重要性を説いている。「ポゼッションプレー」とはクライフ用語のひとつで、「ボールを持っている選手に対して、2つもしくは3つのパスコースを作り出すプレー」のことだ。

 すべての能力を持ち合わせたウィングが高い位置にいて、5つのライン(「DFライン」、「アンカー」、「左右のハーフ」、「左右のウィング」、「センターフォワード」)を作ることで、ピッチを広く使いながら、同時にショートパスのコースが無数に生まれる。

 簡単に言えば、ウィングの存在がポゼッションに計り知れないメリットを生み出すということだ。

 ペップはバイエルンで、まさにクライフが提唱し続ける「ウィングがいるポゼッションサッカー」を実践している。左右にリベリーとロッベンという世界最高クラスのウィングを配し、彼らのドリブル突破がショートパスの崩しをより効果的にしている。バルサ時代のペップモデルから、さらに進化した領域に足を踏み入れつつある。

 バルサにもペドロやサンチェスといったウィング的な選手はいるが、どちらかというとマルチロールな能力に強みがあり、本職のリベリーやロッベンと比べるとウィング力は落ちる。バルサが過去の状態に戻ったとしても、現在のバイエルンを上回るのは難しいのではないだろうか。

 バルサ黄金時代の終焉とオーバーラップするかのように、真のクライフイズムへの原点回帰が起こりつつある。覇権を握るクラブは変わろうとしているが、歴史はまだまだクライフとペップを中心に進んでいきそうである。

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