ブンデスリーガ蹴球白書BACK NUMBER
チーム初のCL、そしてW杯へ――。
岡崎に必要なのはエゴか、献身性か?
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byPicture Alliance/AFLO
posted2014/04/11 10:30
バイエルンとの試合以降、コンディションを落とすマインツの中で苦しむ岡崎慎司。クラブ史上初の欧州カップ戦の出場権を賭けて、終盤の5試合に挑む。
残り5試合となったブンデスリーガで岡崎慎司はどんな考えを持って、どんなプレーを見せるだろうか。
3月15日に行なわれた第25節・ホッフェンハイム戦では決勝ゴールを含む2ゴールを決め、今シーズンの通算ゴール数を11に伸ばした。これは高原直泰(2006-'07シーズン、フランクフルト時代)と並んで、ブンデスリーガにおける日本人選手としては2番目に多いゴール数だ。香川真司が'11-'12シーズンに記録した13ゴールという記録も射程圏内にある。
しかし――。
ミッドウィークに開催された3月25日のブラウンシュバイク戦では、連戦の疲れがあるとトゥヘル監督が判断してスタメンではなく途中出場となったが、その試合を含めて4試合もゴールから遠ざかっている。
0-2で敗れた4月5日のフランクフルト戦のあと、岡崎はこう振り返った。
「今日は(前線にとどまることに)固執しすぎてボールをあまり受けることが出来ていなかったです。この2試合がそうだったですし、最近はそういうことが多くなってきているので。まぁ……難しいですけどね。流れがあまり良くなくなってきたときでも我慢するのか、そこで自分が動いて、(下がってボールを受けるような)動きをしていくのか……」
フランクフルト戦は攻撃が機能せず、シュート数ゼロ。
岡崎がこう話したのは、何も自らの調子やコンディションが落ちているからではない。チームとしての攻撃があまり機能していないからだ。
岡崎の2ゴールもあり4-2で勝利をつかんだホッフェンハイム戦の翌週に行なわれたバイエルンとのホームゲームでは、0-2で敗れたものの、82分までゴールを許さずに昨季の欧州チャンピオンを苦しめた。ただ、そこからはチームとしてのパフォーマンスは落ちてきている。
そして4月5日のフランクフルトとの試合ではほとんど良いところはなく、0-2で敗れてしまった。攻撃は機能せず、2トップに入った岡崎は1本のシュートも放つことが出来なかった。
その苦しい中でも、岡崎が中盤まで下がっていかないのには理由がある。