セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
「戦車でも持ってくるしかないね」
止まらないユーベ、スクデット目前!
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byAFLO
posted2014/03/05 10:50
26節では本田圭佑の所属するミランを2-0で一蹴したコンテ。CLではグループリーグで敗退したが、その屈辱の分までリーグで強さを存分に発揮している。
CLで敗退した今、EL制覇はもはや「義務」?
CLグループリーグ敗退は、さすがに監督コンテと選手たちに大きな悔恨を残したものの、ユベントスはEL制覇へ素早く目標を切り替えた。何しろ今季のファイナル会場は、ホームである「ユベントス・スタジアム」だ。今のところ誰も口には出さないが、決勝進出は“義務”と化した。
ベスト32ラウンドでは、トラブゾンスポル(トルコ)を一蹴。同カードでは、1月市場でセリエA復帰を果たしたばかりのFWオズバルドが2得点と活躍した。「俺もイタリア代表に復帰してブラジルに行く」と士気は高い。
5月14日の決勝戦まで、最大試合数は19試合だ。約93時間ごとに1試合という予備スケジュールも組まれたが、リーグ戦とのターンオーバーの準備も万端だ。
シーズン終盤に向けて、さらに勢いを増すユベントスにもし不安材料があるとしたら、それはグラウンドの外にしかない。
ピルロとブッフォンに発覚した不倫騒動。
というのも、チームの大黒柱であるベテラン2人は、私生活のパートナーも“補強”できると勘違いしてしまったらしい。今年の年明け以降、よもやの司令塔ピルロと守護神ブッフォンによる不倫騒動が相次いで発覚した。
MFピルロはショッピング依存症の金髪美人に目がくらみ、12年連れ添った夫人と離婚協議に。イタリアSKYの美人司会者イラリア・ダミーコとの関係が噂されるGKブッフォンは、チェコ人モデルの妻から家を追い出された。
世間に対して少々バツが悪いどころでは済まず、親でもある彼らの心中が穏やかであるはずがない。何とも情けない話だが、スクデット3連覇やEL制覇に悪影響が出ないことをユベンティーノたちは祈るばかりだ。
そうはいっても、セリエAにおけるユベントスの優位はなお絶大。
26節を終え、勝ち点差が11に広がった2位ローマはまだ逆転へ一縷の望みを捨ててはいないものの、指揮官ガルシアは「スクデットはユーベ次第だ」と自力優勝の目がほとんど消えかけていることを痛感している。