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本田圭佑に是非とも移籍して欲しい!!
今リバプールが欧州で大注目の理由。 

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田邊雅之

田邊雅之Masayuki Tanabe

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posted2011/01/07 10:30

本田圭佑に是非とも移籍して欲しい!!今リバプールが欧州で大注目の理由。<Number Web> photograph by Getty Images

降り積もる雪の中、ロシアリーグのCSKAモスクワで戦い続ける本田。スルツキ監督との不和は相変わらずと伝えられるが……

 天皇杯と高校サッカーを除けば、テレビ中継もプレミアの試合ぐらい。アジア杯目前の気忙しさがあるとはいえ、サッカー業界の人間も正月はおせちをつまみながらのんびり過ごすことができたのではないか。

 しかし選手の立場になると話は別だ。

 日本人選手にとって1月は「就活」の重要な時期となる。これは海外進出を狙う選手にとっても同様。第二、第三の香川真司を目指せとばかり、家長昭博、細貝萌、槙野智章といった面々が、移籍交渉と引越し荷物をまとめて話題を集めている。

 しかし冬の移籍という点で最も注目されているのは、やはり本田圭佑の去就だろう。

騒然となった本田の移籍話は、その後どうなったのか?

 南アで一躍時の人となり、ベンゲルをして「トップクラスの選手であることを証明した」とまで言わしめた本田に対しては、ACミラン、レアル、アーセナル、アトレティコ、リバプールなど錚々たるクラブが関心を示したと報じられてきた。

 だが少なくとも現時点(1月6日時点)では、まだどの移籍も具体化していない。たとえばリバプール絡みの話などは比較的信憑性が高いのではないかと言われていたが、交渉が進展していないことは本田の代理人も認めている。曰く「まるでなにもない。あるのは噂だけだ。リバプールからケイスケにオファーはきてないし、他のクラブからもオファーは届いていない」。

 また熱を孕み続ける日本側の報道と対照的に、現地メディアは、リバプールが本当に獲得を目論んでいるのは、イプスウィッチ(イングランド2部リーグのクラブ)に所属する若手ストライカー(コノール・ウィッカム/17歳)のような選手ではないかという説も報じている。

リバプールは中田が所属したローマをも「格」で上回る。

 しかし、どうせなら本田にはリバプールに移籍して欲しい。

 もちろん、日本人選手の姿をプレミアで見たいという個人的な願望はある。中田英寿がボルトンで、稲本がウェストブロムでプレーした2005-06シーズンを最後に、日本人選手はかなり長い間プレミアから遠ざかっている。

 また日本代表の底上げを図る意味でも、いわゆる「欧州組」にとっての「欧州」の幅を拡げるという意味でも、リバプールへの加入は有意義だ。プレミアの有名クラブとオランダリーグやロシアリーグのクラブでは、レベルも注目度もまるで違う。クラブの「格」で言うなら、リバプールは中田が加入したASローマをも上回る。むろん厳しいポジション争いは待っているが、本田がリバプールで結果を出せれば「レアルの10番を目指す」という最終目標もぐっと叶えやすくなるはずだ。 

 だが今冬の移籍市場でリバプールから声をかけられることには、もっと深い意味がある。イングランドのサッカー関係者は、1月の移籍市場におけるリバプールの動き方そのものを――プレミアの古豪がどんなタイプの選手に興味を示し、どのような値段でチームに招こうとするのかを――興味津々で眺めているからだ。

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