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上々デビューと監督の解任問題。
ミランの“HONDA 10”、波乱の船出。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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photograph byREUTERS/AFLO

posted2014/01/13 13:00

上々デビューと監督の解任問題。ミランの“HONDA 10”、波乱の船出。<Number Web> photograph by REUTERS/AFLO

ミランの10番を背負い、劣勢のチームに反撃の切り札として投入された本田圭佑。持てる能力の片鱗は見せた。本領はこれからだ。

試合終了後、本田は無言でチームバスに乗り込んだ。

 アッレグリが急遽用いた場当たり的な4-4-2に、建設的なビジョンがあったとは思えない。それでもミランの新しい10番は、劣勢のデビュー戦とは思えないほど多くのボールをさばき、ロスタイムの最後の1分までバロテッリめがけてクロスを放った。

 しかし、本田を通したゴールは生まれず、ミランは降格圏だった相手に、3-4という衝撃的な大敗を喫した。

「スペシャルな何かをチームにもたらしてみせる」

 イタリア到着直後からくり返してきた言葉をデビュー戦で実現できなかった本田は、タイムアップの笛が鳴ると、真っ先にロッカールームへと消えた。

 試合終了後、本田はスタジアム出口に待ち構えていた数人の子供たちと記念撮影に応じたものの、報道陣が待ち構えるミックスゾーンを通らず、無言のままチームバスへ乗り込んだ。

 月曜の午前中には、15日のコッパイタリア5回戦に向けた練習が控えているにもかかわらず、日付も変わろうかという頃、指揮官アッレグリはようやく会見場にようやく姿を現した。

「本田は完調でないにも関わらず、いいプレーをした。2トップの下でプレーすれば、また別の働きができるはずだ」

 短い応答で、リーグワースト5位の30失点と11位という順位を嘆くと、アッレグリは報道陣へ挨拶をした。その顔にもはや精気は残っていなかった。

アッレグリの進退問題、そして後任と本田の未来は。

 アッレグリが着席する前、会見場では「バルバラが声明を出したぞ!」という声が飛び交い、緊張が走っていた。

“この醜態は到底容認できない。早急な変化が必要”

 ANSA通信を通じて出された新副会長バルバラ・ベルルスコーニの緊急声明は、アッレグリ監督の解任を強く示唆するもので、13日午前中にも解任決議を諮るクラブの最高幹部会議が開かれるのは確実だ。

 後任監督の候補は、現時点でユース部門の監督をしているインザーギしかおらず、デビューしたばかりの本田をかつての名エースFWが指導する可能性は高い。

 スタジアムを出ると、視界はさらに白くなっていた。

 ミランと本田の未来は、濃霧の中で風雲急を告げている。

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