MLB東奔西走BACK NUMBER
MLB復帰へ狼煙を上げた大家友和。
37歳にして進化するナックルボーラー。
text by
菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi
photograph byKyodo News
posted2013/12/06 10:30
ナックルボーラーとしてメジャーへ再挑戦することになれば、日本人としては初。大家友和は、37歳にして新たな扉を開こうとしている。
「彼女がどうやってナックルを投げているのか凄く興味がありますね」
昨年末のことだった。大家友和投手の故郷である京都に赴き、久々に再会を果たした時、おもむろに彼が発した言葉だ。
大家のいう“彼女”とは日米の独立リーグで活躍している女子ナックルボーラーの吉田えり投手のこと。筆者が数年にわたって吉田の取材をしているということを知っての発言だ。
その後、色々話を聞いてみると、大家が投球練習の一環としてナックルボールを投げ始めたこと。そして、思うように投げられていないことがわかった。
当時の大家は前年、2011年に右肩の手術をし、リハビリを続けながら球界復帰を目指していた。
当時もある程度、自分が知る限りの情報を伝えてきたものの、彼がどれほど真剣にナックルボール習得を目指しているのかはかりかねていた。
それが今年になって、彼の本心を理解することになった。
再びメジャーへの道を開いたナックルボール。
すでにご存知の方も多いと思うが、大家は今年4月にBCリーグの富山に入団し、新たな野球人生をスタートさせている。それも、ナックルボーラーとしてだ。
今シーズンでは21試合に登板し、7勝7敗、防御率3.73の成績を残す。さらにシーズン終了後にはアリゾナへ向かい、コーチの指導を受けながらナックルボールの更なる研鑽を積んでもいる。
現在は日本でも報じられているように、複数の球団が興味を示すなど、再びメジャー球界復帰の可能性も出てきている。
そこで再び京都を訪れ、ナックルボーラーとしてどの程度手応えを感じているのか、改めて本人を直撃した。