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「宮里・横峯」時代の歯車が動いた!
新賞金女王・森田理香子が歩む道。
text by
小川勝Masaru Ogawa
photograph byKyodo News
posted2013/12/03 11:35
賞金女王の座に決定し、祝福される森田。横峯という元女王と競り合って勝ち抜いたからこそ、よりその勝利の意味も大きかったといえる。
米ツアー挑戦は見送り、まずはメジャー初優勝へ。
それでも賞金女王になれたのは、こうした弱みを補えるほどの飛距離があったからだ。イーグル数は今年も8個で全体の3位。イーグルを狙えるパー5のホールで、大胆に2オンを狙い、昨年以来、上達してきたパットでイーグルを決める。
振り返れば、賞金女王を取るうえで、最大の分岐点になったのも最終戦のひとつ前、大王製紙エリエールレディスオープンの最終日、17番で奪取したイーグルだった。約20mのロングパットを決めるという劇的なイーグル。このホールで首位に立つと、そのまま1打差で今季4勝目を挙げ、一度は横峯に明け渡していた賞金ランキング1位の座を奪回。その結果、最終戦を有利な立場で迎えることができたのである。
森田は2009年から岡本綾子の門下生になり、以来、ずっと指導を受けている。これも、プロ選手との師弟関係を持たずにやってきた横峯とは対照的だ。自己流を伸ばすだけでなく、森田は大先輩の財産を受け継ぐ、日本女子ゴルフ本流の後継者であるのかもしれない。
プロ6年目で賞金女王にはなったものの、森田は来年の目標も「1位を目指すこと」と語っており、当面、米ツアーに挑戦するつもりはないようだ。
それも自然なことかもしれない。プロ通算で6勝しているが、まだメジャー大会では勝っていないからだ。まずはメジャー大会で勝つこと。それを達成しなくては、本当の意味で宮里、横峯に肩を並べたとは言えないだろう。森田が、宮里、横峯と並ぶ、一時代を築くゴルファーになれるのか。それは賞金女王の威厳をまとった中で、メジャー初優勝を達成できるかどうかにかかっているように思う。