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「宮里・横峯」時代の歯車が動いた!
新賞金女王・森田理香子が歩む道。
text by
小川勝Masaru Ogawa
photograph byKyodo News
posted2013/12/03 11:35
賞金女王の座に決定し、祝福される森田。横峯という元女王と競り合って勝ち抜いたからこそ、よりその勝利の意味も大きかったといえる。
最終戦までもつれ込んだ今年の女子プロゴルフ、森田理香子と横峯さくらの賞金女王争いは、森田の初の戴冠で決着した。
12月1日、宮崎カントリークラブで行われたLPGAツアー選手権リコー杯の最終日、280万7411円差でトップに立っていた森田は、この日1オーバー、通算4オーバーの12位(136万円)。一方、横峯はこの日2アンダーとスコアを伸ばして通算3オーバーとしたものの、7位タイ(286万4000円)に終わって逆転はならず、130万3411円差で、森田の賞金女王が決まった。
過去3年間、日本の女子プロゴルフはアン・ソンジュと全美貞という、韓国勢が連続して賞金女王を獲得、しかも最終戦の前にタイトルが決まっているというシーズンが続いていた。今年は4年ぶりの最終戦決着となり、最終日には昨年を1000人以上上回る6729人のギャラリーが詰めかけた。
森田も横峯も優勝争いには絡めなかったものの、この大会は今年の日本ツアーで優勝している選手、および賞金ランキングで25位以内の選手など、実績のある選手しか出場できない大会(今年の出場は28人)で、今年のオールスター戦のようなものだ。
その中で、3日目を終えて森田が2打のリードという「意識せざるを得ない状況」(森田)から、最終日は横峯がバックナインで3バーディー、1ボギーとチャージ。順位としては12位と7位タイの戦いではあったが、ギャラリーを沸かせるには十分な内容だった。
「宮里・横峯」の後に続く選手から一歩抜け出した森田。
森田は23歳。女子ゴルフ界においては、今年12月13日で28歳になる横峯より一つ下の世代になる。今回の賞金女王獲得によって、「宮里・横峯世代」の後に続く選手の中から一歩抜け出し、名実ともに「日本ツアーの顔」になったと言っていいだろう。
日本女子ゴルフの現在の隆盛が始まったのは2003年、横峯の同級生、宮里藍が高校3年でプロツアー(ミヤギテレビ杯)優勝を果たし、プロ転向したことだった。1年遅れて横峯がプロ転向、2人に続いて諸見里しのぶ、上田桃子、有村智恵と、ほぼ同世代の、人気と実力を兼ね備えた若手選手が続々と勝ち始め、スポンサーをひきつけて女子ツアーの試合数と賞金総額は、年々増え続けてきた。2003年には年間30試合だったのが今年は36試合、賞金総額は31億3600万円で、史上最高額を記録している。