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チーム設立ラッシュの女子カーリング。
なのに……ソチ五輪出場がピンチに!!
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byNIKKAN SPORTS/AFLO
posted2010/12/01 10:30
結婚・出産後に復帰した船山弓枝(左)、小笠原歩(中)と若いメンバーの吉田知那美が新チームの設立を11月上旬に発表。北海道銀行が全面バックアップするという
五輪に出られなくなると途端に人気が冷める可能性も。
おそらく来年の暮れには、国内でもレベルの高い争いが繰り広げられるようになり、それが国際的な競争力につながっていくだろう。決して日本のカーリング界に対して悲観ばかりする必要はないが、現実的な問題として、来年のパシフィック選手権で2位に入らないことにはソチ・オリンピックの出場は夢と消える。
その意味で、来年2月8日から北海道・名寄市で行われる日本選手権は重要な大会になる。パシフィック選手権の代表チームを決める戦いだからだ。
チーム青森、札幌国際大学など有力チームはあるが、結成してから間もないチームも多いから、戦略を確立するまでには時間が足りない。
誤解を恐れずに言えば、カーリングはトリノ・オリンピック以降、日本のウィンタースポーツの中で「マイナーの中のメジャー」の地位を確立したと思う。これは大きいことで、オリンピックに出られれば露出が大きくなるのは間違いない地位でもあるのだ。
しかし、オリンピックに出られなくなると……途端にその競技を目にする機会がガクッと減ってしまう。それが現実だ。
女子カーリング界にとって、この1年間は未来を左右する大きな1年となる。