欧州サムライ戦記BACK NUMBER
内田篤人、「ポロッと」CL初得点。
シャルケを救った“嬉しくない”ゴール。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph bypicture alliance/AFLO
posted2013/09/19 12:00
悪い流れを断ち切るゴールを生んだ内田は、チームメイトに手厚い祝福を受けた。内田がチームを救ったのだと、誰もが感じていたに違いない。
試合後、いつもと違う行動を見せた内田。
そんな内田は試合後に、普段とは少し異なるアクションを見せていた。
チームメイトたちからの祝福を受けた後、その輪を離れ、ステアウアの10番を背負うタナセのもとにわざわざ握手を求めに行ったのだ。
タナセはステアウアの中心選手で、左MFでプレーする。内田と90分間にわたりマッチアップした選手だ。
「相手チームのエースだから。あいつは良い選手だった。違うチームにいたら、厄介だなっていうね」
ディフェンダーとしての本分は相手のエースに仕事をさせず、失点を防いで、チームに貢献すること。ステアウアに一度もゴールを割らせずに、勝利をつかんだことが嬉しい。
あの握手は、そんな手ごたえをかみしめる儀式だったのかもしれない。