欧州サムライ戦記BACK NUMBER
内田篤人、「ポロッと」CL初得点。
シャルケを救った“嬉しくない”ゴール。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph bypicture alliance/AFLO
posted2013/09/19 12:00
悪い流れを断ち切るゴールを生んだ内田は、チームメイトに手厚い祝福を受けた。内田がチームを救ったのだと、誰もが感じていたに違いない。
「家帰って、ご飯食べて、寝ます」
後半33分にはファルファンのクロスを受けたドラクスラーが相手を引きつけてから左に流すと、ボアテンクが決めて追加点。さらに後半40分にはドラクスラー、ファルファン、フクスとダイレクトでつないでいき、最後はドラクスラーが決めて3-0。これで試合が決まった。
「今日は運が助けてくれたというところもあります。でも、それを呼び込んだのは11人がみんな走っていたからだし、耐えるところは耐えたからだし。その積み重ねだと思います」
終わってみれば、3-0の大差だったが、勝負を分けたのはほんのわずかな差だった。だから、内田は気を引き締める。
「1試合終わっただけだからね。勝ち続けないとあまり意味ないというか。次のステージ(決勝トーナメント)に行かないと意味はないし。1試合終わってホッとはしているけど、中2日でちょっと強い相手(バイエルン)とやらないといけないので。家帰って、ご飯食べて、寝ます」
25歳にして、中村俊輔のCL通算出場記録に並ぶ!
実は、この試合に出場したことで内田のCLでの通算出場数は17となり、25歳にして中村俊輔が持っていた日本人選手の通算出場記録に並んでいる。
キャプテンのヘベデスに「ありがとう!」と声をかけられ、笑顔を見せた内田は、こちらが聞いた記録についての感想にもサラリと返してきた。
「嬉しいけどね。まぁ、すぐ抜かれるよ(笑)」
嬉しいけど、こだわりはない。
なぜなら、今ではこう考えているからだ。
「この大会に出られるチームもなかなか少ないし、こういうチームにいられるということは本当に幸せなこと。ただ、(CLに)出られるというのではなく、僕の中では次のステップ、(チームを)勝たせなきゃいけないというステップに進んでいるので、出られることがどうこうというよりは、勝ちに行きたいなと思いますよ」