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カカ、ミラン復帰も続く苦難の道。
ブランクを示す“なめらかな”背中。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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photograph byREUTERS/AFLO

posted2013/09/21 08:01

カカ、ミラン復帰も続く苦難の道。ブランクを示す“なめらかな”背中。<Number Web> photograph by REUTERS/AFLO

ミランで苦悩の日々を過ごすカカ。かつてバロンドールの栄誉を手繰り寄せた地で、再び輝きを放つ日は訪れるのか。

 イタリアには、“温め直したスープは美味いはずがない”という諺がある。現実を見ずに感情に流され、元さやに戻ったカップルはうまくいかない、という意味だ。

 ミランへ復帰したMFカカが苦しんでいる。

「マドリードで失くした、ボールを蹴る喜びをミランで取り戻したい」

 カカは銀河系軍団での雌伏を経て、4年ぶりに古巣へ帰還した。移籍の条件として6割減の年俸大幅カットを呑んだのも、すべては母国ブラジルでのワールドカップに向け、セレソンへ復帰し、故障続きで失ったトップフォームを取り戻すためだ。

 ミランは、カカが持つトップ下としての才能と豊富な経験に期待をかけ、サポーターもかつての英雄の帰還を熱烈に歓迎した。相思相愛だったカカの加入が決定した翌日、サンシーロのCLセットチケットは、1万5000枚が飛ぶように売れた。

 肘から下をぶらつかせ、トップスピードで相手ゴール目がけて疾駆した、かつての勇姿を覚えている誰もが、カカの華々しい復活劇を思い描いた。

 だが、その思惑は、ミランでの再デビュー戦となった3節トリノ戦で早くも打ち砕かれた。

故障で離脱したカカは、給料返上を直訴。

 トップ下として先発したカカは、ボールを持とうとする度に名前も知らないような選手たちから激しいチェックを受けた。セリエAに戻ってきた実感を味わう余裕などあるはずがなく、バロンドールを獲ったテクニックを活かそうにも足が追いつかない。後半早々に先制された後、ファウルを受け大の字になった顔には脂汗が滲んでいた。不調を訴えたカカは、後半24分かぎりでベンチへ下がった。

 追加点を奪われたミランは、終盤の反撃で何とか2-2の引き分けに持ち込んだが、69分間のプレーで何もできなかったカカの復帰戦は散々な出来に終わった。

 試合後には、追い討ちをかけるように左太もも内転筋の肉離れが発覚。復帰には最低3週間を要することが判明し、打ちひしがれたカカは「ピッチに戻るまで1ユーロたりとも給料はいらない」と涙ながらにフロントへ訴えるに至った。

 カカ復活への歯車は、どこかで食い違っている。

【次ページ】 ミランの“出戻り組”にまつわるジンクスとは。

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