プロ野球亭日乗BACK NUMBER
“選手のミス”が救った日本シリーズ。
「プロ」の監督が揮うべき采配とは?
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKoji Asakura
posted2010/11/14 08:00
1975~1980年、1993~2001年の2期15年にわたり巨人の監督を務めた長嶋。勘やひらめきに頼りがちな采配は批判の対象ともなった一方、ファンに鮮烈な印象を残した
ファンを魅了し、試合にも勝つのが「プロ」の監督だ。
だから夜中の11時過ぎまで完全中継された第6戦の平均視聴率は18.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で、瞬間最高視聴率は27.9%を記録した。優勝の決まった第7戦も平均20.6%で、瞬間最高は34.1%まで跳ね上がった。
テレビにとって野球中継も捨てたものではない。
“面白い”試合ならば、日本シリーズというコンテンツは、まだまだ魅力的だし、ファンを引きつけるのに十二分の力があることを、結果的に証明したシリーズとなった。
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プロ野球とは勝つことだけがファンサービスではない。
ファンを魅了して勝つことこそがファンサービスであり、そういう条件の下でも勝てる采配をすることが、「プロ」の監督の仕事なのである。