野球クロスロードBACK NUMBER
ロッテを率いる西岡の異常な出塁率。
CS進出もイチローの記録も射程距離!?
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byToshiya Kondo
posted2010/09/21 12:10
今季の出塁率は昨季を大きく上回る4割2分に達する!
本人が強く意識するように、今シーズンの出塁率は20日現在で前年の3割6分を大きく上回る4割2分。初回だけを見ても、4割を超え、打率も3割6分に達するなど、しっかりとゲームメークしているのが分かる。
この姿勢は、当然、チームメートにも勢いを与えている。同じく16日、初回に2点目のソロアーチを放った井口資仁が、「剛に乗せられて打つことができた」と感謝し、指揮官の西村徳文も「気合いが入った」と納得の表情を見せた。西岡のプレーは確実にチームの起爆剤となっているのだ。
得点の多さも、このような心構えがあればこそ、だ。同時点で115とリーグ断トツでトップ。昨年1位の西武・中島裕之が100だったことからも、この数字がずば抜けているのが窺える。出塁に重きを置くことで、個人にもチームにも相乗効果をもたらしていると言っていいだろう。
個人成績など二の次。ただただ出塁するのみ!
クライマックスシリーズ進出を争う状況で、楽天のホームであるクリネックススタジアム宮城で16連敗を喫し、日本ハムには3位に並ばれ、5位オリックスにも僅差に迫られるなど足踏みが続くが、西岡は「後ろを振り向くことなく頑張る」と語気を強める。
「もう、ここまできたら勝ち方はどうでもいい。内容よりも1戦1戦、勝つしかない」
皮肉にも、昨年掲げた目標は今シーズン達成できるかもしれないが、今の西岡には個人成績など二の次。こだわるのはただひとつ、出塁だけだ。1打席1打席、1球1球しぶとく食い下がることだけを考える。
俺が塁に出れば点が入るよ――。残り7試合、西岡は、今年開眼したキャプテンシーで相手にプレッシャーを与え続け、チームをクライマックスシリーズという最終ステージに導く。