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このチームからいなくなるかも……。
清武弘嗣の悲壮なる覚悟と向上心。 

text by

ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2013/06/29 08:03

このチームからいなくなるかも……。清武弘嗣の悲壮なる覚悟と向上心。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

「ブラジル戦は勝ちにいきます」と語っていた清武。日本帰国時には「悔しいです。満足している人はこのチームに1人もいないと思います」と厳しいコメントを残した。

「交代になったのは自分の実力不足だと思います」

「相手のプレッシャーが早すぎて、ディフェンスをやる時間が長すぎましたね。マルセロが上がってくるからケアしたり、ネイマールやオスカルがこっちに流れて来るからカバーしたり。強い相手だから、守備の時間が長くなっちゃうのはしょうがないけど、攻撃にいく回数が少なかった。後半はスペースも開いてきて、良いチャンスはあるかなと思っていたんですけど……。交代になったのは自分の実力不足だと思います」

 淡々と試合を振り返っていったが、悔しさは隠せず。

「今日はこれ以上、話したくはないので……すみません!」

 そう言って、記者の前を後にした。

 それ以降も、居残り練習では細貝萌が低い位置から繰り出すパスを受けてシュートにつなげる練習や、エリアに入るところで短いパスを出し、香川がシュートを打つ練習を続けていたが、この大会で再び出番を与えられることはなかった。

岡崎への称賛と嫉妬が交差する複雑な心境をのぞかせる。

 1-2で敗れた最終戦となったメキシコとの試合の後、乾貴士は「0-1で負けている状況でサイドバックとセンターバックが入る。前の選手からしたらやっぱり悔しいし。でも、それだけ信頼がないということ」と話したが、それは清武にもあてはまる。だから、こう語った。

「すごく悔しかったです。この試合に出ていない選手には、そういう思いがすごくありますよ。でも、自分が何を言ってもしょうがないし。練習あるのみでしょ」

 この1年で代表での出場試合数は増えたものの、先発で起用されるのは、本田、香川、岡崎の誰かが怪我やコンディションを理由にスタメンを外れたときか、その中の誰かがセンターフォワードの位置に入るときだけだった。

 代表では右FWに入ることの多い清武は、メキシコ戦でそのポジションでプレーした岡崎についてもこう話す。

「やっぱり、岡さんはすごく良かったです。でも、俺があそこに割って入らないといけないので……」

【次ページ】 限られたチャンスを清武はつかみ取ることができるか?

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