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西武・浅村、SB・千賀、楽天・藤田。
勝手に推薦! 球宴で見たい3人の男。 

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氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

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photograph byHideki Sugiyama

posted2013/07/01 12:20

西武・浅村、SB・千賀、楽天・藤田。勝手に推薦! 球宴で見たい3人の男。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

ソフトバンク交流戦優勝の立役者とも言われる千賀滉大。150kmを超える速球と落差の大きいフォークで豪快に打者をしとめるピッチングに、王貞治球団会長も「夢を与える投手」と絶賛する。

育成から這い上がった男、ソフトバンクの千賀滉大。

 パ・リーグの捕手陣から「一度、受けてみたい」と人気上昇中なのが、ソフトバンク・千賀滉大である。

 150キロ台のストレートと鋭く落ちるフォークで勝負するパワーピッチャーだ。古田敦也氏も「大魔神(佐々木主浩)の再来」とTV解説で称賛するなど評価はウナギ昇りだ。

 ソフトバンクの救援陣といえば、ファルケンボーグ、森福允彦がシーズン序盤に離脱。代わって千賀が中継ぎに入り、30試合38イニングを投げて自責点4、奪三振56、防御率0.95と、その存在感は際立っている。

 そんな千賀は愛知・蒲郡高から2010年の育成ドラフト4位で入団した。昨年4月に支配下登録をゲットしたばかり。反骨心のある男で、コメントはいつも力強い。

「入団してから、見とけよ、やってやるぞっていう気持ちはありましたね。支配下登録をされた時には、やっとプロ野球選手になれたっていう気持ちだった」

 支配下登録された昨季は2試合に先発登板したが結果が伴わず、その2試合のみでシーズンを終えた。

昨季はストレートもフォークもスライダーもすべて通用しなかった!?

 しかし、昨季の少ない登板こそが、今季の成長につながっていたようである。昨季からの成長を高山郁夫投手コーチはこう語る。

「育成っていう選手じゃないよ。ドラフト下位指名くらいの評価の選手だったとみていい。今年はフォークがいいよね。去年、上で2試合に先発して投げて、これじゃだめだっていうことが分かったんじゃないかな。フォークがすごい武器になっている」

 千賀もその意識はある。

「昨季は全部通用しなかったというのが正直なところです。ストレートも、フォークも、スライダーも。投げることが精いっぱいで、最低限のコントロールもありませんでした。今年はフォークがいいのと、スライダーでカウントを取れるようになりました。それと、短いイニングなので、ストレートを思い切っていけるのもいい」

 チームスタッフから「(今年の)新人王を狙って去年はイニング数を減らした」と茶化されるが、「わざとじゃないっすから。一生懸命投げてたし」と笑って返す。

 人間的なキャラクターも魅力たっぷりな男は、スターが集結する輪の中に入れてあげたい。

【次ページ】 打撃のみで球宴に出る選手がいるなら、守備でも……。

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