リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
スペイン代表が驚きの布陣変更。
裏には監督によるシャビへの配慮!?
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byKeita Yasukawa
posted2013/06/25 10:31
「無敵艦隊」スペイン代表の栄光を長らく支えてきた司令塔シャビも今年で33歳。2014年W杯後の代表引退が示唆されているが……。
シャビはスペイン代表の何が気に入らないのか?
ドブレ・ピボーテの4-2-3-1でプレイするとき、下がるスペースのないシャビは敵ゴールに背を向けてボールをもらうことが多くなる。
この点をシャビは気にしていたようだが、デルボスケは「そんなプレイをしてもらいたいなんて全く思っていない。前を向いて、攻撃の起点になってもらいたい」と言って聞かせたという。
ちなみに、雑誌『Number』830号のためにシャビにインタビューした際、ドブレ・ピボーテについて聞くと、彼はこう答えた。
「味方が自分より前に多くいる方がやりやすいのは確かだ。自分の後ろにピボーテ2人となると、パスコースが最低1つは減るわけだから、ボールを前へ進めるための選択肢も減ってしまう。ただ、ドブレ・ピボーテのおかげでリスクを冒せる場合もある。ボールを失っても背後はカバーされているからね」
今のところピボーテひとりの新フォーメーションは完璧に機能している。
グループリーグを終えた時点で、スペインの新フォーメーションは機能している。
ウルグアイ戦ではデルボスケ期最高のパス回しを見せ、ナイジェリア戦では、途中の修正を要しはしたが、ピボーテ1人でも中盤の守備は破綻しないことをひとまず証明した。
そしてシャビは、シーズンの疲れを溜め込んだ身体に鞭打ちながら、ブスケッツの横まで下がってボールをもらい、いつもどおり的確な状況判断で攻撃のリズムを整えている。
デルボスケの実験はいまのところ成功している。