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スペイン代表が驚きの布陣変更。
裏には監督によるシャビへの配慮!? 

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横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

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photograph byKeita Yasukawa

posted2013/06/25 10:31

スペイン代表が驚きの布陣変更。裏には監督によるシャビへの配慮!?<Number Web> photograph by Keita Yasukawa

「無敵艦隊」スペイン代表の栄光を長らく支えてきた司令塔シャビも今年で33歳。2014年W杯後の代表引退が示唆されているが……。

 スペインが新たなフォーメーションでコンフェデレーションズカップを戦っている。「進化」と呼びたいところだが、今後以前の形に戻る可能性は大いにあるので、とりあえず「レパートリーの増加」ということにしておこう。

 きっかけは恥骨炎を患っていたシャビ・アロンソが大会参加を辞退したことだ。

 アロンソといえばデルボスケ監督の下では絶対的なレギュラー。'10年のW杯でも昨年のユーロでも中盤の底にブスケッツと並び、“ドブレ・ピボーテ(スペイン版ダブルボランチ)”を形成して守備のバランスをとってきた。

 そのアロンソがチームを離れる――。

 デルボスケはバイエルンのCL優勝に貢献した好調ハビエル・マルティネスを代わりに起用すると思われた。ところが選んだのは馴染みの4-2-3-1を4-3-3に変え、ピボーテをブスケッツ1人にすることだった。

デルボスケにとってドブレ・ピボーテこそアイデンティティだったはず!?

 代表監督デルボスケにとってドブレ・ピボーテはチームの基盤であり、アイデンティティである。それゆえ攻撃に人を割いた前任ルイス・アラゴネスのスペイン('08年ユーロ)と比較され、何度批判されても、デルボスケは自分を貫いてきた。

 実際、アロンソとブスケッツのコンビが確立した後にスペインがピボーテ1人を試したのは、今大会直前の親善試合を除くと、'11年11月の親善試合コスタリカ戦と昨年10月のW杯予選フランス戦の2度しかない。どちらも結果は引き分けで、大役は1人ぼっちに慣れていないアロンソが務め、凡庸な出来に終わった。

 こうした経緯を踏まえると、今回のデルボスケの変心は興味深い。

 なぜいま中盤の底を1人にするのか。

 来年の“本番”に向けて、アロンソのいないこの機に改めてチャレンジし、使えるようにしておこうという腹なのか。

【次ページ】 ファンやメディアからの批判、アキレス腱の故障……。

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