OGG三強の「ちょっと変わった」点とは？

　OGG三強は、いくつかの意味で、ちょっと変わった三強である。

　まずひとつ目は、「三強」と呼ばれながら、目下、3頭揃って同じレースに出たことがない、というところだ。オルフェーヴルとジェンティルドンナは去年のジャパンカップで文字どおり激突し、ジェンティルが馬体をぶつけ合っての叩き合いを制した。これら2頭はその後休養に入ったため、古馬との初対決が有馬記念となったゴールドシップとは、まだ一緒に走っていないのである。

　もうひとつは、三強のうち一頭が牝馬というところ。これは日本の競馬史上初めてのことだろう。

　かつての競馬の「常識」では、どんなに強い牝馬でも、牡馬のトップクラスの馬には軽くひねられる――ということになっていたのだが、牝馬として64年ぶりにダービーを勝ったウオッカや、そのライバルのダイワスカーレット、少し下の世代のブエナビスタといった、牡牝の枠を越えた「名馬」が「常識」を書き換えた。

ジェンティルドンナ、年明け初戦はドバイシーマクラシック。

　ジェンティルドンナは史上4頭目の牝馬三冠馬である。その前の3頭――メジロラモーヌ、スティルインラブ、アパパネはいずれも年度代表馬に選出されなかったのだが、オルフェや他国の強豪を下したジャパンカップの走りが評価されたジェンティルが、初めての「牝馬三冠馬の年度代表馬」となった。14キロも馬体を減らしながら1歳上の三冠馬を競り落としたのだから、この馬も名牝を超越した名馬である。

　ひょっとしたら、近い将来、「三強」と呼ばれる3頭のうち2頭、いや、3頭とも牝馬なんていう時代が来るかもしれない……とまで思わせてくれる強さだ。

　そのジェンティルドンナが、3月30日、土曜日（日本時間31日未明）、ドバイのメイダン競馬場で年明け初戦を迎える。舞台は'10年にブエナビスタが2着になったドバイシーマクラシック（GI、芝2410メートル）。

　現地入りしたのが22日。27日に芝コースで最終追い切りをこなすなど順調に調整され、11頭立ての8番枠から発走することが決まった。初の海外遠征で、しかもジャパンカップ以来4カ月ぶりの実戦でありながら、イギリスのブックメーカーで軒並み1番人気に支持されているあたりも、「破常識」な走りを見せてきたこの馬らしい。

　ドバイシーマクラシックには日本からもう一頭、武豊が乗るトレイルブレイザーも参戦する。前哨戦のアルマクトゥームチャレンジラウンド3で10着にドカ負けしたのはオールウェザー馬場が合わなかったからだろう。芝のここなら本来の力を発揮できる。日本馬によるワンツーフィニッシュも充分に期待できそうだ。

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