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ソフトバンクでの6年間を糧に――。
多村仁志が古巣DeNAにもたらすもの。 

text by

田口元義

田口元義Genki Taguchi

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2013/03/22 10:32

ソフトバンクでの6年間を糧に――。多村仁志が古巣DeNAにもたらすもの。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

「ホークスでの経験を生かして、優勝を目指して頑張っていきたい」とDeNA復帰での抱負を語っている多村。ホークスでの優勝を経験したことが、どう生きるか?

“1点の重み”を選手全員で共有できれば勝てるはず!

 DeNAの今年のチームスローガンは「勝」。最下位からの脱却はもちろん、初のクライマックスシリーズ出場へ向け、選手の士気は高まってきている。多村自身、それを理解しているし、可能性も大いに感じているという。

「僕、調べてみたんですけど、去年、1点差負けのゲームが結構あるんですよ。その試合に勝っていれば3位だったんですよね」

 昨シーズン、DeNAの1点差負けのゲームは25試合。全て勝利していれば71勝60敗13分となり、単純計算ではあるが、確かに3位だったヤクルトの68勝65敗11分を上回ることになる。

 1点を分けるもの。それこそが、多村がソフトバンクでの6年間の修行で得たものであり、チームに還元したい要素。彼は言う。

「キャンプから高木(豊)さん(打撃コーチ)がずっと、ボール球を振らないこと、出塁することの重要性を説いて、その通りだな、と。簡単にボール球に手を出してしまうんじゃなくて、多く球数を投げさせたほうが相手ピッチャーにダメージがあることは分かりきっていることで。選手の役割はそれぞれありますけど、1点を取るために自分は何をしないといけないのか? そういう意識を選手全員で共有できれば勝てると思います」

 横浜で育ち、ソフトバンクで日本一を経験した男が、帰ってきた古巣で初心に立ち返り「強者の哲学」を注入する。そして、チームスローガンである「勝」を実現させる。

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