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巨人投手陣は「WBC後」も死角なし。
飛躍する高卒2年目左腕、今村信貴。 

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氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2013/03/14 10:31

巨人投手陣は「WBC後」も死角なし。飛躍する高卒2年目左腕、今村信貴。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

3月9日のオリックス相手のオープン戦にて。「しびれましたね。足がブルブルしました。腕は振れました」と試合後に初々しいコメントを残した今村。

ストレートを際立たせるスローカーブは今中慎二を彷彿。

 昨シーズンの今村は、6月に二軍デビューを飾ると14試合に登板、3勝1敗、防御率2.63。8月30日の日ハム戦では二軍ながら、ノーヒットノーランを達成。その才能を少しずつ咲かせ始めた。

 この春季キャンプでは二軍スタートも、沖縄の2次キャンプから一軍に帯同。侍ジャパンとの強化試合で登板するなど、オープン戦ではいまだ失点していない(3月14日現在)。

 高校時代と比べてプロで成長した理由のひとつに、100キロに満たないスローカーブの習得がある。

 これほど遅いカーブを高校時代は投げていなかったが、スローカーブを効果的に使うことで、ストレートをより生かせているようだ。ストレートの球速は140キロ程度だが、スローカーブとの緩急差で打者のタイミングを狂わせる。もともと、球持ちが良いから打者がとらえたと思っても詰まらせることができるのである。もしかすると、今中慎二(元中日)のようなタイプに成り得るかも……と想像させてくれるピッチング内容であった。

「いい印象を持っている」と原監督も若い力に期待する。

 3月3日のソフトバンク戦では、菅野に次ぐ2番手としてマウンドに上がり、2回を1安打無失点。9日のオリックス戦では、8回裏、1死満塁から救援マウンドに立ち、オリックスの主軸・坂口智隆とT-岡田をぴしゃりと抑えている。原監督が「いい印象を持っている」と話すほど、評価も上々である。

 今村はまだ線が細く、課題もある。開幕一軍は厳しい位置にいるというのが現状だろう。

 だが、「WBCの後」という今シーズンの戦いを考えると、今村にもチャンスがないわけではない。

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