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巨人投手陣は「WBC後」も死角なし。
飛躍する高卒2年目左腕、今村信貴。 

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氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2013/03/14 10:31

巨人投手陣は「WBC後」も死角なし。飛躍する高卒2年目左腕、今村信貴。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

3月9日のオリックス相手のオープン戦にて。「しびれましたね。足がブルブルしました。腕は振れました」と試合後に初々しいコメントを残した今村。

 WBC後―――。

 今シーズンのペナントレースの鍵を握るのはこの言葉かもしれない。

 WBC決勝の熱気が冷めやらぬ、その約1週間後に開幕する今年のペナントレース。今後の勝ちあがり次第ではあるとはいえ、侍ジャパンのメンバーには、1年間を通してのベストパフォーマンスを求めるのは厳しいかもしれない。極限の精神状態で戦い抜いた疲れが残っているだろうし、例年と異なる調整法を強いた(特に投手陣には)その後の影響が出てもおかしくないからだ。

 連覇して日本中が熱狂した'09年の時がそうだった。

 いわゆる「WBC後遺症」というべき現象が、当時の選手にはあった。

 前回のWBCで、もっとも多くのイニングを投げた当時楽天の岩隈久志は、'09年シーズンが始まると、開幕戦でダルビッシュ有との投げ合いを制したものの、フルシーズンを戦い抜くことができなかった。100球にも満たないうちに降板することが多く、6月には登録を抹消された。それでも13勝を挙げることができたのだが、'08年には21勝を挙げて沢村賞を受賞した投手である。彼のトップパフォーマンスは、WBCからむしろ落ちて行ったとさえ感じられたシーズンだった。

激戦を戦い抜いた投手陣には「後遺症」が残った。

 岩隈に次いでの登板があったのは、当時レッドソックスにいた松坂大輔(インディアンス)だった。

 松坂はWBCを終えてレッドソックスに戻ると、開幕から間もなく戦列を離れた。2度DL入りするほどの不調に陥り、4勝6敗、防御率は5.76でシーズンを終えている。それまでの順調なシーズンから比べても、また、WBCでのパフォーマンスからしても、彼の1年を通してのパフォーマンスが見劣りしていたのは明らかだった。

 このほか、阪神・岩田稔はWBCでは2試合の登板にも関わらず、大会後に故障が判明。開幕から出遅れた。オリックスの小松聖は、前年に15勝を挙げていたが、原因不明の不調に陥り'09年は1勝しか挙げることができなかった。小松はいまだに復調できないでいる。

【次ページ】 WBC出場選手のコンディションがペナントを左右する!?

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