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敗因は“判定”か“元7番ロナウド”か?
因縁対決に敗れたマンU、CLを去る。
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byMan Utd via Getty Images
posted2013/03/06 12:10
マンUは、ギグス(右)とラファエウ(左)という右サイドの2人でC・ロナウドを徹底マークしたが、後半24分、一瞬の隙を突かれ、逆転ゴールを許した。
「内心は嬉しいが、淋しい気も。相手がマンUだから」
そして、勝敗を決した1点。
ロナウドは、54分にイグアインがファーサイドに届けたクロスに合わせ損なっていた。しかし、大舞台で同じ過ちは繰り返さず。
タイミングを計りながら、ラファエウの背後をついてダッシュすると、伸ばし切った右足で、角度のない位置から枠内にボールを蹴り込んでみせた。
得点後、ゴール裏を歩きながら、マンUファンに謝るかのように、両手を軽く上げただけのロナウド。
レアルの準々決勝進出を告げる笛が鳴ると、複雑そうな表情でピッチを後にした。TVカメラの前でも、「内心は嬉しいけど、淋しい気もする。相手がマンUだったから。でも、これがサッカーの世界の厳しさ。先のことは分からないけど、今は白いユニフォームを着ているから」と、神妙に語った。
オールド・トラッフォードを埋めた7万人を超す大観衆は、試合ではなく判定に敗れた気分で、納得できずに会場を去ったに違いない。
せめてもの慰めは……決める所で決めた流石の「旧友」が、再び赤いユニフォームを着てくれる日を想像するくらい、か。