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「松田直樹メモリアル」が燃えた!!
中田、中山らが感じた“つながり”。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byTsutomu Takasu
posted2013/01/26 08:02
この日の試合では、2006年に現役引退した中田英寿が素晴らしい体のキレを見せていた。イベントとしての試合という枠を超え、出場した全選手、全観客が共に熱く燃えた日となった。
「1回だけでなく、来年、再来年と続けていくこと」
海外ではこれまでも心臓発作による悲劇が繰り返されてきた。
昨年4月14日、セリエBのリーグ戦でリボルノのピエルマリオ・モロジーニが倒れ、意識が回復することなく亡くなっている。25歳という若さだった。また、2009年には中村俊輔の同僚だったエスパニョールのダニエル・ハルケが急性心筋梗塞によって他界。2007年8月にはセビージャでプレーしていたアントニオ・プエルタ、12月にはスコットランドリーグ、マザーウェルのフィル・オドネルが亡くなっている。日本でも松田の死をきっかけにして救急に対する意識が高まってきたと言えるのかもしれない。
救急の輪を広げていくことの使命。集まったファンに対して発信することが「命のつながり」。今回の収益の一部も、AED購入費としてスポーツ団体などに寄贈されることになっている。
松田の名を刻んでいくには、まずもって「メモリアルゲーム」が続いていく必要がある。今回、大会の開催に全面的に協力した「TAKE ACTION FOUNDATION」を主宰する中田英寿も「マツとは中学からの付き合い。1回だけじゃなく、来年、再来年と続けていくことが彼の名をずっと残すことにつながる」と継続の大事さを訴える。
サッカーを通じて、松田直樹を通じて仲間、そして命のつながりの大切さを知る。
今後もまた松田の名のもとに人が集まり、「つながり」を感じることのできるイベントが開催されることを期待したい。