オリンピックへの道BACK NUMBER
ソチ五輪を前に支援が打ち切り――。
女子ジャンプ・渡瀬あゆみ、夢の行方。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byShino Seki
posted2012/11/21 10:30
渡瀬あゆみ(写真)は1984年生まれ。16歳の高梨沙羅ら若手の台頭が目立つが、リーダー格としてジャンプ女子日本代表チームをまとめている。
5月以降、日本代表のコーチと選手は今も支援先を探す。
その渡瀬弥太郎氏は、こうも語る。
「親子だからじゃなく、長年やってきた仲間として、渡瀬あゆみにも競技に集中できる環境がほしいですね」
渡瀬あゆみ自身は、支援先がみつからなかった場合は、という問いにこう答えた。
「どうでしょうね。今は、2月の世界選手権に絶対選ばれるようにがんばるということ、まずは今シーズンなんとか乗り切れるようにというところですね」
そしてこう続けた。
「純粋に飛ぶことが楽しくて好きなんですね。だから続けてこられたし、振り返ってみても自分にはスキーしかなかったと思うからスキー一本で来ました。女子ジャンプの基盤がないような状態からスタートして、ようやくオリンピックの種目にまでなった。絶対に出たいと思っています」
11月14日、再び海外遠征へと旅立った。
5月の契約終了後、日本代表のコーチと選手は、支援先を探してきた。そして今も探している。
ときに今後への不安に苛まれることもある。でも、長年抱いてきた夢を決してあきらめてはいない。