リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
カンテラ出身選手を冷遇するレアル。
“育成”と“勝利”は相反する要素か?
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byGetty Images
posted2012/11/16 10:30
会長ペレス(左)の方針により、レアルのカンテラはトップチームに戦力を供給できずにいる。
自身の功績に重きを置く指揮官は選手の育成に無関心。
「カスティーヤ(マドリーB)にはトップチームには存在しないポジションがある。我々のフォーメーションは4-4-2ではないからだ。プレイスタイルに共通点が少ないという点で、選手たちは損害を被っている」
モウリーニョが左サイドバックと見るナチョにしても、Bチームではセンターバックで起用されているのだ。
いずれにせよ、カンテラ上がりの選手を進んで信頼し、起用する気はモウリーニョにはないだろう。これまで13人を公式戦でデビューさせてはいるが、継続的に使っている者はゼロである。
また、昨季のリーガ優勝決定直後、テレビカメラに向かって指を7本立て、真っ先に自分自身のリーグ優勝回数を誇示した彼に、カンテラを活性化してクラブの発展を促す意志があるはずもない。
それで強ければ文句は出ないだろうが、マドリーファンとしては複雑な心境だろう。