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もうひとつの“日本代表”?
外国籍J戦士たちのW杯に注目! 

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猪狩真一

猪狩真一Shinichi Igari

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posted2010/06/12 08:00

もうひとつの“日本代表”?外国籍J戦士たちのW杯に注目!<Number Web> photograph by Getty Images

南アW杯最終予選の韓国戦でのチョン・テセ

チョン・テセの前に立ちはだかる世界屈指のDFたち。

 そして北朝鮮。川崎のチョン・テセは、いまやチームの最大の得点源になっている。大会直前のギリシャ戦での2ゴールも、強烈なシュートをGKの届かないコースに正確に蹴り込んだスーパーゴールだった。

 強豪が集ったグループGの組み合わせは気の毒だが、逆に言えば、Jでは頭ひとつ抜けている彼の強靭なフィジカルが世界トップクラスのDFにどれだけ通じるのかを、これ以上ない相手で計ることができるわけだ。ブラジルのルッシオやコートジボワールのコロ・トゥーレに対しても、コンタクトプレーの勝負だけならばヒケを取らないようには思えるのだが……。

 大宮のアン・ヨンハも、ボランチのスタメンはほぼ確定的。今季から復帰したJでのプレーを見る限り、中盤の守備で見せる当たりの強さと献身性は健在だ。本大会では、前回の'06年大会のアジア予選で見せたような、守から攻への切り替えの起点となるプレーも見せて欲しいところだ。

コートジボワールのドゥンビアはJ2経由南ア行き。

 現在Jでプレーしているのは以上の6人だが、かつて日本でプレーした経験を持つ選手は少なくない。韓国のキム・ナミルは神戸、アン・ジョンファンは清水と横浜FM、キム・ジョンウは名古屋、そして大黒柱のパク・チソンは、若き日を京都で過ごして成長を遂げた選手だ。

 コートジボワールのドゥンビアは、'06年に19歳で柏にやってきて、レンタル先の徳島で目覚ましい活躍を見せ、スイスリーグに渡って得点王を獲得するまでになった点取り屋。大会直前の日本戦でも、負傷したドログバとの交代で途中出場し、強烈なミドルを立て続けに放ってみせた。

 また、ピッチに立つ確率は低いが、アルジェリアのGKライス・エムボリも、'08年にJFLのFC琉球でプレーした選手。同チームの総監督トゥルシエとのマルセイユ下部組織時代のつながりが来日のきっかけだったようだ。

 日常的なJの舞台で目にする姿と、代表選手としてW杯という世界の舞台で目にする姿。そこで感じるギャップや違和感もまた、ファン・サポーターにとっては、選手の個性をより深く知るためのきっかけになることだろう。

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