ロンドン五輪代表、最大の挑戦BACK NUMBER
関塚ジャパンが、完璧な作戦勝ち!
「スペインに勝ったのは奇跡じゃない」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byRyosuke Menju/JMPA
posted2012/07/27 11:35
大津の先制ゴールで歓喜に沸く選手たち。「自分たちの色をもっと出せるし、もっともっと激しくいける。(ピッチ上で戦う)11人だけじゃなく、18人全員で頑張って、1次リーグ突破を決めたい」と試合後に語ったキャプテンの吉田。
「あれだけチャンスがあって1-0というのは……」
この成功体験は、モロッコ、ホンジュラスと戦う上で、大きな自信となる。同時に、試合をこなすごとに日本の戦術は、より洗練されていくだろう。レアル化が進行する日本は、これからもっと強くなりそうだ。
ただ、課題も見えた。
後半だけでも最低4回は、決定的なチャンスがあった。
酒井宏は試合後、「あれだけチャンスがあって1-0の試合というのは、守備からしたら厳しい」と、攻撃陣に苦言を呈したが、そこでもう1点決めていれば、もう少しラクに勝てたはずだ。
グループリーグ突破には得失点も絡んでくるので、ゴールは決める時にしっかり決めておくべきだろう。シュート12本で1点しか取れなかったのは、寂しい限りだ。
とはいえ日本は勝ち点3を奪い、最高のスタートを切った。
「スペイン戦に勝ったのは奇跡だと思っていません。次、しっかり勝ってグループリーグを突破しないと。目指しているのは、金メダルなんで」
大津はキッパリと、そう言った。
そのための最初の難関を、日本は突破したのである。