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なでしこvs.カナダ戦は“再会”対決!?
五輪初戦を楽しむ3つの切り口。
text by
河崎三行Sangyo Kawasaki
photograph byKyodo News
posted2012/07/25 12:10
英国コベントリーで、なでしこたちの練習を見つめる佐々木監督。27日の開会式を待たずに、ロンドン五輪全競技の先陣を切ってこの地でカナダと対戦する。
澤穂希と快足FWシンクレアも互いの特徴を熟知。
そしてカナダのシンクレアは、WPSのFCゴールドプライドに在籍した2年間で、宮間や、ワシントン・フリーダムでプレーしていた澤穂希と何度も対戦している。これまた、互いの特徴を知り合った間柄だ。
さらに阪口夢穂は'09年シーズン、プロ・アマクラブが混交する米WリーグのFCインディアナに在籍したが、そこで同僚だったのが、カナダのDFロビン・ゲイルである。とはいえ阪口は、公式戦2試合に出場したところで左ひざ前十字靭帯を断裂してしまったので、二人がともにプレーした機会はごくわずか。今日の試合で、守備的なボランチの阪口とゲイルがマッチアップすることはそう多くはないだろうが……。
決勝Tを見据えて、カナダを『アメリカのBチーム』に見立てる。
2番目の切り口は、カナダを『アメリカのBチーム』に見立てる、という発想だ。
前述したカナダの攻め方や、選手の身体的特徴は、アメリカと酷似している。ただしチームとしても個としても、カナダは少しずつ、だが確実にアメリカに劣る。だからさしずめ『アメリカのBチーム』なのだが、決勝トーナメントを見据えた場合、アメリカ戦のシミュレーションとしても、日本にとってこのカナダ戦は重要なのではないか。
日本のアメリカ対策がどこまで進んでいるか、また有効であるかの物差しになるだろうし、試合を通して何か新しい課題や手立てを見つけられるかもしれない。
もっとも、戦っている当事者は試合中にそんな先のことまで考えているはずもないのだが。
澤の復調具合を確認するリトマス紙に!?
そしてカナダ戦の最後の切り口は、澤の復調具合を確認するリトマス紙として。
攻撃時は前線に近い場所でプレーし、守備に回ればすかさず帰陣して相棒の阪口と横並びの関係を作るのが彼女の基本的なポジショニング。だがオーストラリアとの壮行試合(7月11日)でも、先日のフランス戦(7月19日)でも彼女の体調はまだ戻り切っていないようで、昨年の女子W杯時のような縦横無尽の動きには程遠かった。