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なでしこvs.カナダ戦は“再会”対決!?
五輪初戦を楽しむ3つの切り口。
text by
河崎三行Sangyo Kawasaki
photograph byKyodo News
posted2012/07/25 12:10
英国コベントリーで、なでしこたちの練習を見つめる佐々木監督。27日の開会式を待たずに、ロンドン五輪全競技の先陣を切ってこの地でカナダと対戦する。
イギリス現地時間25日17時(日本時間26日午前1時)にキックオフとなる、なでしこジャパンの初戦、カナダ戦。
純粋に勝負の成り行きを見届けるのは当然として、今夜は3つの切り口でなでしこの試合を追ってみようと思っている。
まずひとつは、“再会”対決の場として。
カナダのジョン・ハードマン監督が昨年までニュージーランドを率いており、佐々木則夫監督体制のなでしこと北京五輪、そしてドイツ女子W杯で顔を合わせていることは、もう広く知れ渡っている話。二度にわたって日本を手こずらせたハードマンはおそらく今回も、ロングボールを日本の両サイド深くに放り込んでからのクロスでゴールを狙ってくることが予想される。
しかもカナダには、ニュージーランドにはいなかったタイプのクリスティン・シンクレアという快足FWがいる。彼女がスルーパスに反応し、日本の浅いDFラインの裏に抜けるといった新しいオプションもハードマンは手にしたのだ。
お互いを知り尽くした、宮間あやとカナダのGKルブラン。
佐々木監督はこうしたカナダの攻め手に対してどんな対応策を用意しているのか。互いを知り尽くした指揮官同士の頭脳戦が火花を散らすことだろう。
ただこの試合は指揮官同士の関係以上に、両国の選手間でいくつかの興味深い再会がある。
宮間あやは'09年に米女子プロサッカーリーグ(WPS)に移籍し、初年度シーズンはロサンゼルス・ソルに所属した。彼女にとっては初の海外チームでのプレーで、アメリカや、アメリカのサッカー文化に何かと不慣れなことが多かった。そんな宮間をピッチの内外でいろいろとサポートしていたのが、当時のチームメイトであるカナダ代表GKのカリーナ・ルブランだった。もちろんGKだから、チームのFK練習の際、ゴールマウスに立って何度もキッカーのボールを受け(時には決められ)てもいるわけで、ルブランは宮間のFKの球筋をかなり把握している。ということは逆に、宮間の側もルブランの動き方の癖は織り込み済み。日本のFKの際は二人の駆け引きが見ものだ。