いらぬ焦りがピンチを招きかねない最終予選の緊張感。

　過去を例にとっても、ジーコジャパンの初戦ではホームに北朝鮮を迎え、追加点が奪えないことで焦りが生じ、後半に入って同点に追いつかれてしまっている（結果は終了間際、大黒将志が決勝点を挙げて2－1で勝利）。過去2大会の最終予選に出場している遠藤は、その怖さを踏まえたうえでこう語る。

「早い時間帯に点を獲れればいいけど、もしなかなか（点が）入らないとなっても焦る必要はまったくない。ホームだからといって点を獲りたくて前がかりになりすぎて、逆に（カウンターで点を）獲られてしまうとやっかい。点が欲しいから守備をおろそかにしてでも、と考える必要はない。ボランチとしては相手がカウンターになったときに遅らせたり、ファウル覚悟で相手を止めたり、常にうしろのことを気にしながらやっていかないといけない。でも、リスクを冒していいところは前にいってプレーできればいい。状況に応じて判断することになると思う」

2004年4月、後半ロスタイムまで0－0だったオマーンvs.日本。

　オマーンとは2004年2月、ジーコジャパンの1次予選初戦で対戦し、アルハブシの好セーブの連続で後半ロスタイムまで0－0のままでゴールを奪えずに苦戦したこともある。しかし遠藤はキッパリと言い切る。

「相手のGKのことは特に気にしなくていいと思うんです。数多くビッグチャンスをつくって、自分たちが優位に立てばいい。ゴールの端に強いシュートを打つことができれば、どんないいGKであっても（点は）入るわけですから。だから、気にせず、慌てず、ゴールへの意識を持ちながらやっていければいい。いつも通りやればいいだけのこと。90分通して相手より1点多く取ればいいわけですから」

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