欧州CL通信BACK NUMBER
バルサもレアルも苦戦必至!?
因縁だらけの欧州CL準決勝。
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph bypicture alliance/AFLO
posted2012/04/16 11:30
バイエルンを率いるユップ・ハインケス監督は、1997-1998シーズンにレアル・マドリーで監督を務め、欧州CLを制覇している。「私たちよりもスペインの2クラブは少し優れているようだ。しかし、バイエルンはレアル・マドリーと戦ってきた歴史もあり、それはこちらに相当有利な戦績だった。私たちがレアルを追い出すことは可能だと思う」とコメントした。
3年前の準決勝の再現となるチェルシー対バルセロナ。
準決勝もうひとつのカード、18日にスタンフォード・ブリッジで第1レグが行われるチェルシー対バルセロナは、後者が3冠を獲得した'08-'09シーズンの準決勝の再戦となる。
3年前はカンプノウでの第1レグが0-0の引き分けで終わり、スタンフォード・ブリッジでの第2レグは93分、この日初めて枠内に飛んだバルサのシュートがネットを揺らし、1-1となってバルサが決勝へ進んだ。蹴ったイニエスタはクラブ史に残るヒーローとなり、主審を務めたノルウェー人トム・ヘニング・オブレボはチェルシーに不利な笛を吹いたとして、いまもチェルシーファンから脅迫を受けているという。
さて、マドリーが推定世界一のカウンター使いなら、バルサはタイトル獲得で証明済みのポゼッションサッカー世界一だ。
チェルシーはこれにどう対抗すべきか。
多人数でゴール前を固め、長い芝を乾燥させて……。
準々決勝ベンフィカ戦をみたところ、中盤の争いでバルサの上に立つのはまず無理だろう。メッシ、シャビ、イニエスタがスピードと意図をもって動かすボールを、ベンフィカの中盤を抑えられなかったチームが奪えるとは思えない。
マドリーのシャビ・アロンソに該当するピケやブスケッツを徹底的にマークするという手もあるが、バルサの場合1人が止められても別の誰かが近くに寄り、代わりを務めてしまう。よほど組織的にプレッシャーをかけないことには効果は望めない。
チェルシーにとって最も合理的な策は、自陣に人を配してスペースを消すこと。そしてカウンターのチャンスをひたすら待つことだろう。
その際、今季のCLでバルサと2度対戦したミランがやったように両サイドを捨ててゴール前だけを固めるのもよし。
ホームゲームの利を活かして芝を刈り込まず、水撒きを控えてカラカラに乾いた状態にしておくのもよし。