プロ野球亭日乗BACK NUMBER
“飛ばない統一球”驚きの都市伝説。
今季プロ野球は投高打低にならない!?
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byHideki Sugiyama
posted2012/03/30 10:31
栗原健太は昨シーズン序盤こそ統一球に苦しめられたが、8~9月と2カ月連続で月間MVPを受賞。最終的には打率.293、17本塁打、87打点の成績を残した。
“4cmの溝”をいち早く埋めた打者が本塁打を量産した。
'05年の“飛ばないボール”にも、こうして少しずつバッターが「慣れて」対応していった。その結果、本塁打は増えていったわけだ。
もっと短いスパンで、昨年の統一球導入でも、少しずつこの4cmの溝を埋められていった選手は、栗原のように後半戦に結果を出していった。また、結果はそれほど出なくても、芯で捕らえる感覚を次第に身につけたことで「ボールの感触が変わった」という感想につながったのかもしれない。
野球の華はホームランである。
一発逆転の華麗なアーチにスタンドは湧き、ファンは野球の醍醐味を感じる。
統一球導入2年目の2012年のシーズンは、打者たちが何cm、この距離を詰めて、球場に華を咲かせられるのだろうか。
今年は打者の逆襲に期待したい。