オリンピックへの道BACK NUMBER
あの元気な上村愛子が帰ってきた!
ワールドカップ2位までの道のり。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byKYODO
posted2012/02/26 08:01
フリースタイルスキーのW杯モーグル苗場大会で上村愛子(左)が2位となり、2010年3月の猪苗代大会の優勝以来31度目の表彰台を飾った
ライバルをも刺激する攻撃的な滑りで復活をアピール。
成績もさることながら、印象的だったのが、復帰後、どこか抑え気味だった滑りから一転して、従来の攻撃的な滑りを見せたことだった。18日の決勝で、全選手中トップタイムをマークしたことがそれを物語る。
その滑りは、ブランクはあっても、時間をかけて築いてきた技術は容易に消えるものではないということをも示していた。
大会を終えたあと、上村はこう口にした。
「負けたくない気持ちが戻ってきました。ソチ五輪にも行きたいです」
むろん、まだ練習が足りない面もあるだろうし、滑りにおいても荒削りな部分もある。そうではあるにせよ、復帰したシーズンに手ごたえを感じることができたことは、最大の収穫ではないか。
また、モーグルは、上村が休養をとっている間、新たな選手を日本代表に登用するなど、先をも見据えた編成を行なってきたが、大会での結果にはなかなか結びつくことはなかった。
そうした状況にあって、経験を豊富に積んできた上村の復帰は、他の選手にとっても好影響をもたらすはずだ。
上村愛子本人の今後、そして日本モーグル勢の巻き返しにも期待したい。