リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
逃げるマドリー、追うバルサ――。
白熱のリーガ後半戦を徹底検証する。
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byGetty Images
posted2012/02/08 10:30
第21節消化時点でレアルとバルサの勝ち点差は7。次回のリーグ戦での直接対決“クラシコ”は4月22日の予定。写真は24ゴールで得点ランキングトップのC・ロナウド
ストで延期されていた第1節が1月末に行なわれ、2011-2012シーズンのリーガも無事折り返し地点に達した。そこで今回は後半戦を展望しよう。
まずは上位の戦いから。
開幕前に広く言われていたとおり、タイトルの行方はすでにバルセロナかレアル・マドリーのどちらかに絞られた。両者の間に現在3位以下のチームが割って入る可能性は限りなくゼロに近い。
しかし、だからといって、つまらなくはならないのが今季の優勝争い。戦前の予想と直接対決の結果に反して、追う者と追われる者の順位が入れ替わっているからだ。
バルサの逆転優勝はあるのか。
はたまたマドリーが4年ぶりにリーガを制するのか。
マドリーは“追われる者の重圧”に耐えられるのか?
後半戦の注目ポイントはふたつある。
第一に、バルサが敵地でどれだけ勝ち点を積み重ねられるか。というのも、バルサが第8節以降ほとんど2位に甘んじているのは、ひとえにアウェーゲームの引き分けが多すぎるからだ。
今季前半戦のカンプノウ以外でのポイント獲得率は、昨季の80.7%に対し、わずか59.3%。ここを改善しないことには、バルサはマドリーに“追われる者のプレッシャー”を感じさせることができない。
そして、このプレッシャーが第二のポイント。はたしてマドリーは最後まで耐えられるのか。
前半戦のペースを保つことができれば、たとえ4月のカンプノウで敗れても、マドリーは優勝する。統計上も有利で、リーガの過去を振り返ると、前半戦の首位“冬のチャンピオン”は53.8%の確率でそのままタイトルを手にしている。マドリーに限っていえば、その数字は68.8%まで伸びる。