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<私とカラダづくり> 遠藤保仁 「30代で伸びるヤット式“ゆるトレ”」
text by
近藤篤Atsushi Kondo
photograph byAtsushi Kondo
posted2011/12/22 06:00
「若いやつらには、フィジカル超やれ!って言ってます」
――今、強化したい部位は?
「下半身です」
――下半身を強くしてどうなりたい?
「力強く速くなりたい。踏ん張りがきくようになりたいんです。言ってみれば黒人選手の脚です。泥んこや砂場でもバランスが崩れない脚をつくって、相手よりも一歩先にボールに触りたい。そういう差でチャンスの数がぜんぜん違うし」
――けっこう真剣にサッカーのことを考えているんですね。
「そうなんすよ、こう見えてね(笑)」
――昔に比べてサッカーに対する真剣度が増してきていませんか。
「サッカーの深さを理解しつつあります。昔はただサッカーをやってるってだけでしたけど、今はいろんな立場からいろんなことを考えます。だから筋トレも真剣に考える」
――逆に言うと、若いときはどれだけやらなかったんだ、と。
「そうです。だから今、若いやつらには、フィジカル超やれ!って言ってます。自分みたいになってほしくないから。もし真剣にやっていたら、オレ絶対に世界に行けたと思うし、ヨーロッパの一流クラブに行けていたかどうかはわからないけど、少なくともチャレンジはできていたと思う。絶対に」
――日本代表の中盤でコンビを組む長谷部選手の著書に『心を整える。』なんてありますが、遠藤選手って良いプレーをするために「心を整え」たりしますか?
「やらないです。自分の力を把握していれば、どんな状況であっても平均値は出せるんですよ。ハプニングに自分が対応できるだけの力を身につければ、心を整えなくていい。僕の場合は、ですよ」
――じゃあ有名な人の言葉とか、そういうのにも興味ないんですね。
「あ、そういうのは好きです。人の生い立ちだとか、その人が発した言葉の本とかあるじゃないですか。そういうの大好きです」